平成25年度下半期の著作権侵害対策支援の状況について
平成26年5月30日
一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は、平成25年度下半期の著作権侵害対策支援活動の状況について取りまとめました。
I.平成25年度下半期の著作権侵害対策支援の概況
①上半期に引き続き、著作権侵害防止のための啓発活動を重点的に実施した。平成25年度は、警察と共同した防犯イベントを全国規模で開催し、下半期は北海道警や富山県警、福岡県警などと共同で10回イベントを開催した。また、東京税関とも共同でイベントを開催した。 さらに、本取り組みを継続して行うべく、青森県八戸警察署との間でネット犯罪防止のための活動を協力して行う覚書を締結した。 ②会員が被害を受けた著作権侵害事件への支援について、刑事摘発が行われた件数は27件で、平成24年度下半期(26件)とほぼ同数であった。 ③著作権侵害の「場」は、ファイル共有ソフトの悪用による無許諾アップロードや、インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めた。 ④組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関して、平成25年度下半期も「組織内不正コピー防止キャンペーン」を実施した。
II.資料
1.著作権侵害防止のための啓発活動
著作権侵害などインターネットを悪用したサイバー犯罪について、一般市民にその実態を知ってもらい被害の防止を図るとともに、著作物をはじめとした知的財産権の保護を考えるきっかけ作りを目的としたイベントを北海道警察、青森県警察、富山県警察、神奈川県警察、千葉県警察、奈良県警察、福岡県警察と共同で開催した。
また、警視庁万世橋署と協力し、秋葉原電気街の街頭に、コンピュータソフトウェアの海賊版やマジコン等の販売を止めるよう警告する看板を設置した。
さらに、青森県八戸警察署とはネット犯罪防止のための活動を協力して行う覚書を締結した。
東京税関とは、「ニセモノ上陸阻止キャンペーン」を実施した。
※富山県警察とサイバー犯罪抑止キャンペーンを実施(10月12日)
※秋葉原で「著作権侵害抑止キャンペーン」を実施(11月1日)
※ACCSと青森県八戸警察署がネット犯罪防止のための活動を協力して行う覚書を締結(3月4日)
※東京税関とニセモノ上陸阻止キャンペーンを実施(3月18日)
2.刑事事件支援活動 (1)リリース件数 平成25年度下半期に捜査協力して刑事摘発が行われた事案は27件で、リリースを17回行った。
リリース日 | タイトル |
---|---|
10月9日 | ShareでPSPゲームソフトを違法アップロード、男性を送致 |
10月30日 | ファイル共有ソフトによる違法アップロード相次ぎ送致 |
11月21日 | ビジネスソフトの海賊版販売、男性を送致 |
11月25日 | Shareを通じてアニメをアップロード、自衛官を送致 |
11月27日 | Shareを通じてビジネスソフトをアップロード、男性を逮捕 |
11月28日 | Shareを通じてアニメをアップロード、男性を逮捕 |
11月29日 | 掲示板を通じてWiiの海賊版販売、男性を送致 |
12月10日 | 携帯ショッピングサイトで外国語会話教材の海賊版を販売、女性を送致 |
1月28日 | ShareでPSPゲームソフトを違法アップロード、男性を送致 |
1月28日 | 「FC2動画」を通じて映像を違法アップロード、男性を送致 |
2月7日 | オークションでポータブルナビソフトの海賊版を販売、男性を逮捕 |
2月10日 | Shareを通じて漫画をアップロード、男性を送致 |
2月12日 | Shareを通じて漫画をアップロード、男性を送致 |
3月3日 | ファイル共有ソフト等を使用した著作権法違反事件一斉集中取締りの実施について |
3月11日 | ビジネスソフトの海賊版販売、男性を送致 |
3月14日 | 携帯オークションで海賊版を販売、男性を送致 |
3月20日 | Shareを通じてアニメをアップロード、男性を送致 |
(2)侵害事案数 上記各事案における侵害形態の内訳は以下のとおり。
態様 | 事案数(前年度下半期) | ジャンル |
---|---|---|
ファイル共有ソフト「Share」 | 17(11) | アニメーション、ゲームソフト、出版(コミック等) |
ファイル共有ソフト「Cabos」 | 1(1) | 教材 |
ファイル共有ソフト「PerfectDark」 | 1(2) | ゲームソフト |
ファイル共有ソフト「Wiiny」 | 1(0) | 出版(コミック等) |
海賊版販売 | 6(6) | 映像作品、教材、ゲームソフト、ナビソフト、ビジネスソフト |
動画共有サイト | 1(0) | 映像作品 |
その他 | 0(7) | |
合計 | 27(26 表にない他の態様含む) |
(3)コンテンツのジャンル ジャンル(業界)、コンテンツ別の内訳は以下のとおりである(1事件での重複を含む)。
ジャンル(業界) | コンテンツ | 事案数(前年度下半期) | 態様 |
---|---|---|---|
ビジネスソフト | ビジネスソフト | 3(3) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Share」 |
エンターテインメント | ゲームソフト | 4(4) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Share」 |
アニメーション | 10(5) | 動画共有サイト、ファイル共有ソフト「Share」 | |
出版(コミック等) | 5(7) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Share」「Perfect Dark」「Winny」 | |
映像作品 | 2(5) | 海賊版販売、動画共有サイト | |
教材 | 2(1) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Cabos」「 | |
ナビゲーションソフト | ナビゲーションソフト | 1(0) | 海賊版販売 |
合計 | 27(27 表にない他のコンテンツ含む) |
(4)平成25年度下半期の刑事事件の特徴 ①ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害事件が全体の過半数を占めた。悪用されたファイル共有ソフトの種類は、「Share」が中心となっている。 ※Shareを通じてビジネスソフトをアップロード、男性を逮捕(11月27日) ②海賊版販売について インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めたが、携帯電話専用のショッピングサイトを通じた海賊版販売や掲示板を通じた海賊版販売なども摘発された。 ※オークションでポータブルナビソフトの海賊版を販売、男性を逮捕(2月7日) ※携帯ショッピングサイトで外国語会話教材の海賊版を販売、女性を送致(12月10日) ※掲示板を通じてWiiの海賊版販売、男性を送致(11月29日)
3.組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止 ACCSでは不正コピーに関する情報受付窓口を設置し情報の受付を行っており、平成25年度下半期の組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関する情報提供数は48件であった。また、ACCS会員企業からの報告によると情報提供をもとに会員が和解を行った件数は19件、平成10年度以来の和解金総額の累計は約105億4千万円となった。 なお、上半期から引き続き「組織内不正コピー防止キャンペーン」を実施し、不正コピー防止のためのソフトウェア管理の普及活動を行ったほか、不正コピー情報受付窓口をリニューアルした。 ※不正コピー発覚の地方自治体とACCS会員との間で調停に基づく和解が成立け(2月6日) ※不正コピー情報受付窓口をリニューアル(2月20日) 以上
本ニュースリリースに関するお問い合わせ:
(一社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
広報担当 太田
TEL:03-5976-5175 E-mail:accsnews@accsjp.or.jp
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