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著作権侵害事件

Winnyによる3度目の公衆送信権侵害事件、3人を逮捕

平成20年1月24日

京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署は、平成20年1月24日、ファイル交換ソフト「Winny」を通じ、テレビ放送されたアニメを権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていた、大阪府堺市の会社員男性A(39歳)、兵庫県尼崎市の職業不詳男性B(35歳)、大阪府泉佐野市の大学院生男性C(24歳)の3人を、著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで家宅捜索し、同日この男性らを逮捕しました。

Winnyを悪用したユーザーの著作権侵害行為の刑事摘発は、平成15年11月に男性2人、平成19年5月に男性3人が逮捕されており、今回が3回目です。

事件概要:男性A・B

男性A・Bはそれぞれ、平成19年9月5日、(株)サンライズが著作権を有するテレビアニメーション「アイドルマスター XENOGLOSSIA(ゼノグラシア) 第23話『RUN!』」を、また、同年10月14日、同社が著作権を有するテレビアニメーション「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第2話『ガンダムマイスター』」を、ファイル交換ソフト「Winny」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。

供述 警察の調べによると、男性Aは「これまで放流していたことは間違いありません。過去のデータはハードディスクに保存しています。」、男性Bは「間違いありません」と供述し、事実を認めている。
処分結果 男性A:懲役1年(執行猶予3年)/京都地裁(平成20年4月18日)
男性B:懲役1年(執行猶予3年)/京都地裁(平成20年3月27日)
鑑定及び告訴会社 (株)サンライズ

事件概要:男性C

男性Cは、平成19年11月28日、(株)ポニーキャニオンほか3社が著作権を有するテレビアニメーション「CLANNAD-クラナド-」の静止画像を、ファイル交換ソフト「Winny」を通じて権利者に無断でアップロードし、不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。

特記事項 男性Cは、作成したコンピュータウィルスに「CLANNAD-クラナド-」の静止画像を利用し、Winnyネットワーク上に流通させていた。
供述 警察の調べによると、男性Cは「ウィルスを作ったのは僕です。クラナドを使ったのは、話題性があるからです。」と供述し、事実を認めている。
処分結果 男性C:懲役2年(執行猶予3年)/京都地裁(平成20年5月16日)
鑑定及び告訴会社 (株)ポニーキャニオン、ほか3社

「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果、ファイル交換ソフト事件関連一覧

ファイル交換ソフトを悪用した公衆送信権侵害事件について

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
専務理事・事務局長 久保田 裕

ACCSでは、これまでもファイル交換ソフトを悪用した著作物の違法アップロード行為者に対しては、プロバイダと協力した注意喚起などの様々な対策を行ってきました。しかし、ACCSなどが2007年9月に実施した「ファイル交換ソフト利用実態調査」では、Winnyをはじめとしたファイル交換ソフトの「現在利用者」が、インターネット利用者の9.6%(2006年6月の調査では3.5%)に急増したことが明らかとなるなど、著作権者としては憂慮せざるを得ない、深刻な事態に至ったと認識しています。

このため、ファイル交換ソフトを悪用したアップロード行為者については、技術的に捕捉する環境もすでに整ったことから、ACCSではこれまでの対策を更に推し進め、捜査機関やプロバイダに対してアップロード行為者のIPアドレスなどの情報を提供するほか、権利行使などのあらゆる手段を講じて、著作権侵害行為の排除に努めていきます。

改めてACCSでは、著作権侵害を行っている確信犯には徹底的に対峙することを宣言し、ファイル交換ソフトを悪用して著作物の違法アップロードを行っている利用者に対しては、直ちに違法行為を中止するよう、強く求めます。

ACCSは、Winnyの利用をやめるよう強く求めます

  • 現状のWinnyネットワークでは、ファイルの断片を勝手に中継させられるという機能があり、参加するだけで違法な送信行為に「加担」します。
  • ACCSなどが実施している「ファイル交換ソフト利用実態調査」の結果から、「Winny」は、ほとんどの場合、第三者が著作権を持つゲームやコミック、音楽、映画などの著作物を無断でやりとりする手段として悪用されていることが明らかになっています。
    (「ファイル交換ソフト利用実態調査の結果はこちらをご覧ください。)
  • Winnyネットワーク上でファイルを入手するためにはファイル名によって検索しなければならず、著名性の低いファイルが活発にやりとりされる可能性は皆無に近く、現状では、多くの人に自分の作品を知って欲しい場合にはWebページやブログを使う方が合理的な選択です。

ACCSは、Winny利用者に対し、Winnyは、そのネットワークに参加した時点で違法な送信行為に「加担」しているということを警告し、Winnyの利用をやめるよう求めます。

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