悪質な海賊版販売行為者に対して損害賠償を請求
平成21年11月19日
ACCSの会員であるオートデスク(株)、(株)ジャストシステム、マイクロソフト(株)の3社からの報告によると、平成20年6月に自作ホームページなどを通じた海賊版販売によって逮捕され、平成20年11月に山形地裁より、著作権侵害の罪などで実刑判決が言い渡された男性Aに対して、上記3社は、海賊版販売によって受けた損害の賠償を求める通知を、平成21年10月30日付けで送付しました。
山形地裁の判決文などによると、男性Aは主犯として、他の2人の共犯者とともに平成19年1月ごろから、「エムズナルド」や「ジャパネットおかま」などと名付けた複数の自作ホームページなどを悪用してビジネスソフトの海賊版を販売し、平成20年6月に逮捕されるまでに3万件以上の海賊版販売を行っていました。
また男性Aらは、これらの海賊版販売行為を通じて、オートデスクインクが著作権を有する「AutoCAD2008」を236本、(株)ジャストシステムが著作権を有する「一太郎 2008」を86本、マイクロソフトコーポレーションが著作権を有する「Microsoft Windows XP Professional SP-2対応版」を1,206本、「Microsoft Windows Vista Ultimate 日本語版」を1,677本、「Microsoft Office Professional 2003」を455本、それぞれ無許諾で複製して販売していたことが明らかになっています。
山形地裁は、これらの海賊版販売行為について、「組織性の著しく高い、職業的、営業的、常習的犯行であってその犯行態様は著しく悪質である」として、その主犯である男性Aに対して平成20年11月17日、懲役2年及び罰金500万円の実刑判決を言い渡しましたが(平成20年12月2日に確定)、3社は、判決で確定したこれらの被害事実に基づいて、男性Aに対して損害賠償を請求したとのことです。著作権侵害は、刑事罰だけでなく、民事的な責任追及の対象となり、男性Aによる海賊版販売行為は、損害賠償請求などの対象になります。
なお男性Aは、平成18年10月にも、警視庁により同様の手口による海賊版販売について逮捕されており、「ジャパネットおかま」等を悪用した海賊版販売が摘発された時期は、平成18年12月に東京地裁より言い渡された刑(懲役1年)の執行猶予期間中でした。
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