平成25年度上半期の著作権侵害対策支援の状況について
平成25年11月1日
一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は、平成25年度上半期の著作権侵害対策支援活動の状況について取りまとめました。
Ⅰ.平成25年度上半期の著作権侵害対策支援の概況
①昨年度まで実施してきた著作権侵害防止のための啓発活動の規模を拡充し、平成25年度は、警察と共同した防犯イベントを全国規模で開催することとし、上半期は神奈 川、愛知、京都にて4回イベントを開催した。 特に、小中学校における防犯教育のために、福岡、愛知、千葉にて開催された教員等を対象としたセミナーに8回職員が講師として参加し、延べ約1400人に対して著作権 を中心とした情報モラルや情報セキュリティについて解説を行った。 ②会員が被害を受けた著作権侵害事件への支援について、刑事摘発が行われた件数は17件で、平成24年度上半期(22件)と比べると5件の減少であった。 ③著作権侵害の「場」は、ファイル共有ソフトの悪用による無許諾アップロードや、インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めたが、遠隔操作による違法アップロードや、自炊代行業者によるマンガのデジタルデータの海賊版販売など、新たな「態様」による著作権侵害事件が見られた。 その一方で、海賊版の露天での販売行為や、ファイル共有ソフト「WinMX」を悪用した無許諾アップロード事件など、旧来型の著作権侵害行為も依然として行われた。 ④組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関して、平成25年度上半期も「組織内不正コピー防止キャンペーン」を実施した。
Ⅱ.資料
1.著作権侵害防止のための啓発活動
著作権侵害などインターネットを悪用したサイバー犯罪について、一般市民にその実態を知ってもらい被害の防止を図るとともに、身近にある著作物をはじめとした知的財産権の保護を考えるきっかけ作りを目的としたイベントを京都府警察、愛知県警察、神奈川県警察と共同で開催した。また、教育機関を対象として福岡県、愛知県、千葉県にて開催された情報安全教育セミナーに職員を講師として派遣し、延べ約1400人に対して著作権を中心とした情報モラルや情報セキュリティについて解説を行った。なお、これらのイベントや情報安全教育セミナーは、下半期も継続して実施いたします。
※愛知県豊橋警察署と車両盗難防止キャンペーンを実施(7月13日)
※神奈川県警とサイバー犯罪防止キャンペーンを実施(7月31日)
情報安全教育セミナー一覧
1 | 開催日 | 4月19日(金)14:55~16:10 |
開催者 | 福岡県教育庁北九州教育事務所 | |
内容 | 著作権の周辺と情報セキュリティ~学校における課題とは~ | |
受講者 | 小学校校長、中学校校長 約100名 | |
2 | 開催日 | 6月3日(月)10:00~12:00 |
開催者 | 福岡県教育庁京築教育事務所 | |
内容 | 著作権の周辺と情報セキュリティ~学校における課題とは~ | |
受講者 | 小学校生徒指導担当者、中学校指導主事・補導員等、約90名 | |
3 | 開催日 | 7月23日(火)11:00~12:30 |
開催者 | 千葉県教育センター | |
内容 | 著作権の周辺と情報セキュリティ~学校における課題とは~ | |
受講者 | 高等学校初任者、特別支援学校初任者等 約500名 | |
4 | 開催日 | 7月31日(水)10:00~12:00 |
開催者 | 千葉県君津市教育委員会 | |
内容 | 著作権の周辺と情報セキュリティ~学校の危機管理と情報モラルについて~ | |
受講者 | 小学校教員、中学校教員等 約70名 | |
5 | 開催日 | 8月4日(土)14:10~15:10 |
開催者 | 福岡県教育庁京築教育事務所 | |
内容 | 情報セキュリティと知的財産~学校現場における課題~ | |
受講者 | 小学校、中学校、高等学校 校長、生徒指導担当者等 約300名 | |
6 | 開催日 | 8月6日(火)15:15~16:30 |
開催者 | 愛知県豊橋市教育委員会 | |
内容 | 情報モラル確立に向けての指導のあり方と実際 | |
受講者 | 小学校初任者、生徒指導担当者、中学校初任者、生徒指導担当者等 約70名 | |
7 | 開催日 | 8月9日(金)15:00~16:00 |
開催者 | 福岡県福岡市教育事務所 | |
内容 | 情報モラルと著作権について~ネットいじめとは~ | |
受講者 | 小学校、中学校等管理職 約200名 | |
8 | 開催日 | 8月21日(水)10:00~12:00 |
開催者 | 千葉県いすみ市教育委員会 | |
内容 | 情報モラルと著作権について~ネットいじめとは | |
受講者 | 小学校、中学校生徒指導担当者等 約100名 |
2.刑事事件支援活動 (1)リリース件数 平成25年度上半期に捜査協力して刑事摘発が行われた事案は17件となった。(5月28日は2事件のリリース)
リリース日 | タイトル |
---|---|
4月15日 | ShareとPerfectDarkを通じて違法アップロード、男性を送致 |
4月18日 | Shareを通じてアニメファイルを違法アップロード、男性を送致 |
4月19日 | ストレッチ教材DVDの精巧な海賊版販売、男性を逮捕 |
5月1日 | 漫画コミックの海賊版販売、男性を逮捕 |
5月20日 | Shareを通じて漫画コミックを違法アップロード、男性を送致 |
5月20日 | PCゲームと「改造データ」のセット販売、男性を逮捕 |
5月24日 | 海賊版DVDを販売・所持、男性を送致 |
5月28日 | WinMXを通じたゲームの違法アップロード、男性2名を検挙 |
5月30日 | 遠隔操作で違法アップロード、男性を逮捕 |
5月31日 | オークションで英語教材の海賊版販売、男性を送致 |
6月4日 | ソフト販売のためストレージへアップロード、男性を送致 |
6月10日 | 動画配信サイトを通じてアニメ映像を違法アップロード、男性を送致 |
6月25日 | Shareを通じてPCゲームを違法アップロード、男性を送致 |
7月9日 | 秋葉原の露天でゲームソフト海賊版を販売、男性を送致 |
9月11日 | ShareでPSPゲームソフトを違法アップロード、男性を送致 |
9月17日 | Webサイトでビジネスソフトの海賊版を販売、男性を送致 |
(2)侵害事案数 上記各事案における侵害形態の内訳は以下のとおり(1事件での重複を含む)。
態様 | 事案数(前年度上半期) | ジャンル |
---|---|---|
ファイル共有ソフト「Share」 | 6(7) | アニメーション、ゲームソフト、出版(コミック等) |
ファイル共有ソフト「Perfect Dar」 | 1(0) | ゲームソフト |
ファイル共有ソフト「WinMX」 | 2(0) | ゲームソフト |
ストレージサーバー悪用 | 1(0) | ビジネスソフト |
海賊版販売 | 7(11) | 映像作品、教材、ゲームソフト、出版(コミック等)、ビジネスソフト |
動画投稿サイト | 1(0) | アニメーション |
合計 | 18(22 表にない他の態様含む) |
(3)コンテンツのジャンル ジャンル(業界)、コンテンツ別の内訳は以下のとおりである(1事件での重複を含む)。
ジャンル(業界) | コンテンツ | 事案数(前年度上半期) | 態様 |
---|---|---|---|
ビジネスソフト | ビジネスソフト | 2(4) | 海賊版販売、ストレージサーバー悪用 |
エンターテインメント | ゲームソフト | 7(5) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Share」、「WinMX」 |
アニメーション | 4(4) | 動画投稿サイト、ファイル共有ソフト「Share」 | |
出版(コミック等) | 3(5) | 海賊版販売、ファイル共有ソフト「Share」、「Perfect Dark」 | |
映像作品 | 1(3) | 海賊版販売 | |
教材 | 2(1) | 海賊版販売 | |
ナビゲーションソフト | ナビゲーションソフト | 0(2) | |
合計 | 19(26 表にない他のコンテンツ含む) |
(4)平成25年度上半期の刑事事件の特徴 ①ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害事件が全体の過半数を占めた。悪用されたファイル共有ソフトの種類は、「Share」「Perfect Dark」「WinMX」と多岐にわたっている。 また、実家のパソコンにインストールされたShareを自宅から遠隔操作した上で無許諾アップロードを行う事案が摘発された。 ※遠隔操作で違法アップロード、男性を逮捕(5月30日) ※WinMXを通じたゲームの違法アップロード、男性2名を検挙(5月28日) ②海賊版販売について インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めたが、旧来型の露天での海賊版販売や、いわゆる自炊代行業者によるマンガの海賊版DVD販売などが摘発された。 ※秋葉原の露天でゲームソフト海賊版を販売、男性を送致(7月9日) ※漫画コミックの海賊版販売、男性を逮捕(5月1日)
3.組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止 ACCSでは不正コピーに関する情報受付窓口を設置し情報の受付を行っており、平成25年度上半期の組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関する情報提供数は34件であった。また、ACCS会員企業からの報告によると情報提供をもとに会員が和解を行った件数は14件、平成10年度以来の和解金総額の累計は約103億9千万円となった。 なお、平成24年度から引き続き「組織内不正コピー防止キャンペーン」を実施し、全国民間企業に対してソフトウェア管理の再点検を呼びかけるダイレクトメールを送付したほか、ソフトウェア管理手法のセミナーの実施、ACCSのWebページ内に、ソフトウェアユーザー向けの解説コーナー「ソフトウェアユーザーの皆さんへ」の開設などを行った。 ※全国の民間企業にソフトウェア管理の実施を呼びかけ(4月8日) ※2013年度ソフトウェア管理者養成講座を開催(7月17日) ※ソフトウェアユーザーの皆さんへ 以上
本ニュースリリースに関するお問い合わせ:
(一社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
広報担当 太田
TEL:03-5976-5175 E-mail:accsnews@accsjp.or.jp
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