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著作権侵害事件

「Share」を通じたDSソフト違法アップ、2人逮捕

平成21年9月30日

千葉県警生活経済課サイバー犯罪対策室と千葉北署は、ファイル共有ソフト「Share」(シェア)を通じて、ニンテンドーDSゲームソフトを権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていた、愛知県豊明市の会社員男性A(30歳)を平成21年9月28日に、神奈川県茅ヶ崎市のアルバイト男性B(23歳)を同30日に、それぞれ著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで逮捕しました。

ファイル共有ソフトを悪用し、ニンテンドーDSゲームソフトをアップロードしていたユーザーが逮捕されたのは、今回が初めてです。

なお、押収物の写真(千葉県警提供)はこちらからダウンロードできます

事件概要:男性A

 男性Aは、平成21年7月14日ごろから同17日までの間、(株)スクウェア・エニックスが著作権を有する「ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人」他2タイトル、任天堂(株)が著作権を有するゲームソフト「トモダチコレクション」他5タイトル、(株)バンダイナムコゲームスが著作権を有するゲームソフト「裁判員推理ゲーム 有罪×無罪」他6タイトルの、合計3社・16タイトルを、ファイル共有ソフト「Share」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。
 なお男性Aは、平成21年9月29日、千葉地検に送致されています。

端緒 千葉県警の捜査員がサイバーパトロールで男性Aの行為を発見した。
家宅捜索 8月24日に行われた男性A宅の家宅捜索では、PC、「R4」などのマジコン、DVD-Rなど15品目17点が押収された。
供述 警察の調べによると、男性Aは容疑を認めている。
特記事項 ACCSが実施したクローリング調査では、8月23日の時点で、男性AがアップロードしたニンテンドーDSゲームソフトが、「Share」ネットワーク上に508タイトル(市場価格で218万4,400円相当)流通していたことが確認されている。
処分結果 懲役1年6月(執行猶予3年)/(平成22年1月9日)

事件概要:男性B

男性Bは、平成21年7月14日ごろから同15日までの間、(株)カプコンが著作権を有する「逆転検事」他17タイトル、(株)コーエーが著作権を有する「モンスター☆レーサー」他18タイトル、(株)スクウェア・エニックスが著作権を有する「ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人」他42タイトル、任天堂(株)が著作権を有するゲームソフト「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える 大人のDSトレーニング」他107タイトル、(株)バンダイナムコゲームスが著作権を有する「ドラゴンボール改 サイヤ人来襲」他38タイトルの、合計5社・227タイトルを、ファイル共有ソフト「Share」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。

端緒 千葉県警の捜査員がサイバーパトロールで男性Bの行為を発見した。
家宅捜索 8月24日に行われた男性B宅の家宅捜索では、PC、「R4」などのマジコン、ニンテンドーDSなど9品目15点が押収された。
供述 警察の調べによると、男性Bは容疑を認め、「ソフトを人に分けてあげたかった」と供述している。
特記事項 ACCSが実施したクローリング調査では、8月23日の時点で、男性BがアップロードしたニンテンドーDSゲームソフトが、「Share」ネットワーク上に2,692タイトル(市場価格で1,157万5,600円相当)流通していたことが確認されている。


ACCSは、Share等の利用をやめるよう強く求めます

ACCSはこれまでも、ファイル共有ソフトユーザーによる著作権侵害行為が摘発されるたびに、ファイル共有ソフトの問題点を指摘し、安易に利用することがないよう、広く呼び掛けてきました。

これらのファイル共有ソフトは、主として、他人が権利を持つ著作物を無断で送受信する手段として悪用されていることが、ACCS、日本レコード協会(RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)などが共同で毎年実施している利用実態調査の結果から判明しています。また今回、2人のユーザーが摘発されたファイル共有ソフト「Share」(シェア)については、以下の問題が存在しています。

  • Shareは、ダウンロード(受信)されたファイルをそのままアップロード(送信)する機能を持つことから、Shareを通じて他人の著作物をダウンロードした利用者は、即時にアップロード行為者になります。
  • 更に、Shareには、他人がアップロードしたファイルの断片を自動的に受け取り、公開する機能があるために、そのネットワークに参加するだけでも、違法なアップロードを自ら行う可能性があります。

また、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害の蔓延などの状況を受けて、来年1月1日から施行される改正著作権法では、権利者の許諾無くアップロードされた音楽や映像などであることを知りながら、それらのファイルをダウンロードし蔵置(録音・録画)すること自体が、新たに違法行為として規定されました。

これまで、著作権者やACCSをはじめとした著作権関連団体は、ファイル共有ソフトの利用に関しては、公衆送信権侵害に該当するアップロードに着目して具体的な対応を進めてきましたが、今後は、上記法改正を受け、ファイル共有ソフトネットワークへのダウンロードを目的とした参加者についても、毅然と対応していきます。皆さんには、ここに再度、Share 等のファイル共有ソフトを安易に利用されないよう、強く要請します。

ACCSは今後も、著作権の適切な保護を実現するため、他の著作権関連団体やプロバイダ関連団体、またこれら団体等が参加する「不正商品対策協議会」(ACA)や「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」(CCIF)等と連携し、刑事、民事双方の対策を強力に推進していきます。

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