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よくわかるソフトウェア管理(連載)

第5回 ソフトウェア管理の導入(3) 運用体制作り(後半)とソフトウェア管理の運用準備

今回も、ソフトウェア管理の運用体制作りについて、引き続き説明します。

5. ライセンス管理台帳の作成と更新

・ライセンス管理台帳の作成

「ソフトウェア使用状況の把握」の際に収集したライセンス保有状況を、「ライセンス管理台帳」にまとめます。なお「ライセンス管理台帳」は、紙をベースにして作成することも可能ですが、集計や更新するときの手間を考えると、表計算ソフトを利用して作成すると便利です。

・ライセンス管理台帳の更新

新しいソフトウェアを購入した時などに、「ライセンス管理台帳」を随時更新していくことで、各ソフトウェアのライセンス総数がいつでもわかる状態にしておきます。そのために、ライセンスの購入、廃棄時に、ライセンスの保有状況の変化がソフトウェア管理責任者に円滑に伝達され、ライセンス管理台帳が更新される手続きの整備も重要です。

  • 「ライセンス管理台帳」の具体的フォーム例については、「すぐに始めるソフトウェア管理」のフォーム例をご参照ください。
  • 多くのソフトウェアの場合、同一名称の商品でもバージョン・エディションが違う場合は異なる製品とされていますので、バージョン・エディションごとに集計・管理することが必要です。また、バージョンアップ版も通常版 と取り扱いが異なるため、別途集計・管理する必要があります。

6. 従業員による不正インストールを防止するための制度

組織において、従業員による無断インストールを完全に監視することは、物理的に極めて困難です。そこで、この点に関しては従業員一人一人の規範意識を喚起するような措置を講じることが効果的で重要となってきます。
具体的には、従業員に対して著作権などの教育講習などを定期的かつ反復継続して行うことが有効ですが、同時に最低限、次のような規則を講じる必要があります。
  • 承諾のないインストールを禁止する旨の内規の整備と従業員への説明
  • 知的財産権その他の法令を厳守することを宣言した誓約書の作成

7. ソフトウェア監査制度

ソフトウェアのインストール状況は、調査した翌日から日々変化していくものです。ソフトウェア管理担当者は、「ライセンス数」と「インスト-ル状況」を定期的に調査し、両者の総数を照合します。これがソフトウェア監査です。この照合作業のために、次の2つの作業を行います。

一般的な方法としては、ソフトウェア管理責任者が一括管理を行い、施錠の上保管するという方法が望ましいでしょう。
その場合、購入されたソフトウェアのオリジナルディスクが必ずソフトウェア管理責任者の手元に届く手続きも併せて整備する必要があります。

  1. 実際にコンピュータにインストールされているソフトウェアを調査し、インストール管理台帳と照合する。
  2. ソフトウェアごとに、インストール管理台帳に記載されたインストール総数と、ライセンス管理台帳に記載されたライセンス総数を照合する。
定期的に照合作業を行うことで、インストール管理台帳に記載漏れしていたソフトウェアを発見することができます。また、実際にコンピュータを調査することは、従業員の規範意識の向上にもつながります。この照合は、反復継続して実施することに意味があります。大切なのは「忘れず」「定期的に」「継続する」ことです。


規則類の制定について

これらの7項目の運用体制について定めたことを規程化する際には、「すぐに始めるソフトウェア管理」にソフトウェア管理規定ならびに台帳のフォーム例が掲載されておりますのでご参照ください。また、具体的な運用体制については「ソフトウェアライセンス管理プロシージャ」もご参照ください。
なお、気をつけなければならないのは、会社ごとによって組織もソフトウェアの調達、使用方法が異なるため、これらをそのまま使うのではなく、自社のソフトウェアの使用実態と策定した運用体制に合わせて修正をする必要があります。


ソフトウェア管理の運用準備

以上、管理体制作りが終了した時点でソフトウェア管理担当者は、実際のソフトウェア管理をスタートさせるための準備を行います。ソフトウェア管理をスタートさせる前に、少なくとも一度はソフトウェア管理体制および運営方法などについて従業員に周知させるための教育講習等の活動を行うことが必要です。

(2010年7月16日公開)


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