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  4. 第4回 ソフトウェア管理の導入(2) 運用体制作り(前半)

よくわかるソフトウェア管理(連載)

第4回 ソフトウェア管理の導入(2) 運用体制作り(前半)

ソフトウェア使用状況の把握と並行して、ソフトウェア管理の運用体制づくりを行います。運用体制としては以下の7項目を整備・策定します。 これらの項目については、ソフトウェア管理規約などを作成し明文化しておくことが望ましいです。以下、順を追って説明します。

  1. ソフトウェア管理責任者の選任
  2. インストール管理台帳の作成と更新方法
  3. 購入したソフトウェアのオリジナルディスクの保管方法
  4. ライセンス証明書などの保管方法
  5. ライセンス管理台帳の作成と更新方法
  6. 従業員による不正インストールを防止するための制度
  7. ソフトウェア監査制度
1. ソフトウェア管理責任者の選任

まず、ソフトウェア管理の中心人物となる「ソフトウェア管理責任者」を選任します。ソフトウェア管理責任者は主に以下の業務を担当します。
・インストール管理台帳の作成・更新
・ライセンス証明書などの保管・管理
・オリジナルディスクの保管・管理
・新規ソフトウェアのインストール管理
・ライセンス管理台帳の作成・更新
・ソフトウェア監査の実施
・従業員への普及・啓発

なお、経営者はソフトウェア管理を正しく運用していくために、ソフトウェア管理責任者に役職・部署の垣根を越えて指示・命令が出せるだけの権限を与える必要があります。


2. インストール管理台帳の作成と更新方法

・インストール管理台帳の作成
「ソフトウェア使用状況の把握」の際に職場内の各コンピュータにおけるインストール状況を確認した結果を、「インストール管理台帳」にまとめます。 新たにコンピュータを購入した場合には、そのコンピュータ用のインストール管理台帳を作成するようにします。


・インストール管理台帳の更新
職場内の各コンピュータにインストールされているソフトウェアは日々の業務の中で変化します。これに伴い、インストール状況の変化をインストール管理台帳に正確・速やかに反映(更新)させることが必要です。

そのため、インストール状況の変化をソフトウェア管理責任者に円滑に伝達される手続きの整備が重要です。一般的には、新規インストールについては、「ソフトウェア管理責任者への届け出が必要」「ソフトウェア管理者のみが行える」などの制限を設けるといいでしょう。

また、使用するコンピュータの台数が多く、コンピュータがネットワークでつながっている環境の場合には、各コンピュータにインストールされているソフトウェア情報を自動的に収集する「ソフトウェア管理支援ツール」を利用することで、インストール台帳を更新する手間が軽減できます。

3. 購入したソフトウェアのオリジナルディスクの保管方法

オリジナルディスクの保管・管理は、組織形態や保管場所の確保などの理由により様々な方法が考えられますが、「従業員による勝手なインストールができないようにする」ことが達成できていればよいことになります。

一般的な方法としては、ソフトウェア管理責任者が一括管理を行い、施錠の上保管するという方法が望ましいでしょう。 その場合、購入されたソフトウェアのオリジナルディスクが必ずソフトウェア管理責任者の手元に届く手続きも併せて整備する必要があります。

4. ライセンス証明書などの保管方法

ライセンス証明書やユーザー登録証は、ソフトウェア管理者が一括管理し、ファイル保管することが必要です。 箱などに明記されている場合や、各部署でオリジナルを保管している場合はそれらをコピーして手元に集めると良いでしょう

5.同様に、新たにライセンスを購入した場合などに、ライセンス証明書等がソフトウェア管理責任者の手元に届く手続きを整備します。

次回はライセンス管理台帳の作成・更新以下の解説と、運用準備について説明します

(2010年5月12日公開)


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