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調査報告書

第7回「ファイル共有ソフト利用実態調査」

2008/12/12 更新

社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会
社団法人 日本レコード協会
日本国際映画著作権協会

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)、(社)日本レコード協会(RIAJ)、日本国際映画著作権協会(JIMCA)は、このたび、2008年9月に実施した「ファイル共有ソフト利用実態調査」の結果を取りまとめました。
今回の調査では、ファイル共有ソフトの「現在利用者」がインターネット利用者の10.3%との結果となり(2007年9月の調査では9.6%)、調査を始めた2002年以来、現在利用者が初めて1割を超えました。また、現在利用者の58.3%が積極的な利用継続の意向を示していることも判明しました。
また、ファイル共有ソフトのネットワーク上に流通している情報を自動的に取得し分析する「クローリング調査」では、1日にWinnyが18万台以上、Shareが20万台以上のコンピュータ上で稼働していることが確認されたほか、それぞれ9割以上が日本からのアクセスであることが明らかになりました。
従前より、悪質な著作権侵害を行っているファイル共有ソフト利用者に対しては刑事告訴やむなしとして、警察機関に協力を仰いでまいりました。2008年中だけでもACCS、JIMCAが協力した事案で9人が摘発されるに至っております。しかし、今回の調査結果を受けて3団体では、悪質な侵害行為者特定のための調査を継続し、刑事事件化協力による侵害の排除と防止策を積極的に推し進めていくと同時に、経済的損失の回復を旨として、損害賠償請求を含む民事的な対応についても実施していくことに致しました。
著作物の適正な利用と著作権保護の機運のさらなる醸成が図られることを願って、ご理解とご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

本調査のアンケート調査概要はこちら(136KB)、 クローリング調査概要はこちら(109KB)からダウンロードできます。
なお本件の関連調査として、「ファイル共有ソフトによる情報漏えいに関する調査」も行われています。調査結果については、株式会社日立製作所のインシデントレスポンスチーム「HIRT(Hitachi Incident Response Team)」にて公開されています。


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アンケート調査結果(ポイント)

1. ファイル共有ソフトの利用状況

  • ファイル共有ソフトの「現在利用者」※1の割合は、10.3%
  • ファイル共有ソフトの「過去利用者」※2の割合は、10.8%
  • ※1「現在利用者」は、2007年9月以降にファイル共有ソフトを利用したことのある者を指す。
  • ※2「過去利用者」は、2007年8月以前にファイル共有ソフトを利用していた者を指す。
  • スクリーニング調査(20,189サンプル)回答者のうち、本調査(「現在利用者を対象とした調査」2,089サンプル、「過去利用者を対象とした調査」2,188サンプル)に回答した人を「有効回答数」として計算した。
  • 2007 年9 月に行った同様の調査では、「現在利用者」の割合は9.6%、「過去利用者」は10.9%。

2. 主に利用しているファイル共有ソフト

  • 「現在利用者」が主に利用しているファイル共有ソフトは、上位から「Winny」28.4%、「Limewire」18.3%、「Cabos」15.1%、「WinMX」10.3%、「Share」10.2%の順。
  • 2007年9月に行った調査では、「Winny」27.0%、「Limewire」18.8%、「WinMX」15.0%、「Cabos」13.1%、「Share」11.0%の順(現在利用者)。

3.共有経験など

  • ファイルの共有は、「現在利用者」の35.0%が経験。
  • 本調査実施時にファイルを共有できる状態にしていた人は、共有経験者の95.3%。
  • 本調査実施時にファイルを共有していた人にファイルのジャンルをたずねたところ、その内訳は、「音楽関連」75.8%、「映像関連」49.5%、「ソフトウェア」11.9%、「写真・画像関連」9.2%、「書籍関連」7.4%。
  • 「ファイル共有」とは、ファイルを他人に送信できる状態にすることを指す。なお、一部ファイル共有ソフトについては、ダウンロードしたファイルが「自動的」にアップロードされる機能等があるが、本設問では、「意識的」にファイルの共有を行った経験の有無のみを抽出している。
  • 2007年9月に行った調査では、現在利用者の35.8%に共有経験があり、調査実施時にファイルを共有できる状態にしていた人は、共有経験者のうちの94.7%。ジャンル別の内訳は、「音楽関連」67.5%、以下同様に、「映像関連」48.4%、「ソフトウェア」8.0%、「書籍関連」6.6%、「写真・画像関連」6.5%。

4.ファイル共有ソフトの今後の利用意向 (現在利用者)

  • 「よほどのことがない限り今後も継続利用したい」42.1%、「今後は分からない」31.5%、「生活に絶対必要なものなので今後も継続利用したい」16.2%、「利用をやめようと思っている」10.2%の順。
  • 2007年9月に行った調査では、同様の設問は無し。

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クローリング調査結果(ポイント)

「Winny2」

  • 「ノード」※3は、約18万台を収集。全数としては約19万台と推定。
  • 「ファイル」は、約530万件を収集。全数としては約600万件と推定。
  • 流通するファイル全体の47.59%が著作物と推定※4。うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが96.7%を占める。
  • 検出された「ノード」のうち、98.49%が日本国内のIP。

「Share EX2」

  • 「ノード」は、約20万台を収集。全数としては約21~22万台と推定。
  • 「ファイル」は、約71万件を収集。全数としては約75~80万件と推定。
  • 流通するファイル全体の55.52%が著作物と推定※4。うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが97.0%を占める。
  • 検出された「ノード」のうち、93.74%が日本国内のIP。

「Gnutella」

  • 流通するファイル全体の80.32%が著作物と推定※4。うち、権利の対象であり無許諾で送信されていると推定されるものが97.4%を占める。
  • 検出された「ノード」のうち、54.93%がアメリカのIP。日本国内のIPは2.26%。
  • ※3「ノード」とは、ネットワークに接続しているPC等の端末を指す。
  • ※4 調査実施者が権利帰属を把握できないファイル(アダルト、同人のコンテンツなど)を除外した。
  • ※5 「Gnutella」についてはネットワーク規模が大きいため、ノード及びファイルの数値は算出せず。

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調査概要

アンケート調査

モニターを活用して行うWEBアンケート方式で実施。

日時
2008年9月18日~26日
回収数
スクリーニング調査 ... 20,189サンプル
現在利用者を対象とした調査 ... 2,089サンプル
過去利用者を対象とした調査 ... 2,188サンプル

クローリング調査

各ファイル共有ソフトネットワークに対応した手法を用いてネットワークを巡回し、実際に流通している情報を取得・分析して実施。

日時
2008年9月19日・17:00~2008年9月20日・17:00(24時間)
利用したソフトウェア
(1)Winny2 P2P FINDER(Winny) 2008年9月Version
(2)Share EX2 P2P FINDER(Share) 2008年9月Version
(3)Gnutella P2P FINDER(Gnutella) 2008年9月Version

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「ファイル共有ソフト利用実態調査」リリースに関するお問い合わせ

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)

広報担当 TEL:03-5976-5175 E-mail:accsnews@accsjp.or.jp

(社)日本レコード協会(RIAJ)

広報部 担当・庄司(しょうじ) 末永(すえなが)
TEL:03-6406-0514 E-mail:info@riaj.or.jp

日本国際映画著作権協会(JIMCA)

調査本部 広報・統計分析室 担当・萩野(はぎの)
TEL:03-3265-1401 E-mail:info5@jimca.co.jp

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