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著作権侵害事件

古書店へ転売も、書籍の「自炊代行業」男性を逮捕

平成28年11月30日

 京都府警察本部生活経済課と東山警察署は平成28年11月30日、権利者の許諾なく、書籍をデジタルデータ化し、さらにそれらのデジタルデータをDVD-Rに複製の上、譲渡していた京都市左京区の自営業(自炊代行業)男性(35歳)を著作権法違反(複製権侵害及び譲渡権侵害)の疑いで逮捕しました。
 男性は、平成28年4月13日頃から同年7月18日頃までの間、顧客2名から送付された漫画コミックを電子データにして自己のパーソナルコンピュータ内の記録媒体に複製して著作権(複製権)を侵害するとともに、平成28年4月7日頃から同月15日頃までの間、顧客2名に対し、電子データをDVD-R合計3枚に複製の上、代金合計5,700円で譲渡して著作権(譲渡権)を侵害した疑いが持たれています。

【作品一覧】
(株)KADOKAWA発行の漫画コミック「坂本ですが?」「未来日記」
(株)講談社発行の漫画コミック「進撃の巨人」
(株)集英社発行の漫画コミック「暗殺教室」「るろうに剣心」
(株)スクウェア・エニックス発行の漫画コミック「アフォガード」

【出版各社共同コメント】
 今回摘発された「自炊代行業者」は、単にデジタルデータ化を有償で請け負っていただけでなく、①顧客から送付された書籍が重複した場合、裁断せずに古書店に売却し利益を得ていたこと、②デジタルデータを使い回して複数の顧客に提供していたこと、③書籍の送付を受けることなく、顧客の求めに応じてデジタルデータをDVD-Rに複製の上で販売していたことが警察の捜査により判明しています。
 このような極めて悪質な行為に対して、出版社並びに著作権者はこれを看過することはできず、今回刑事告訴に踏み切ることとなったものであります。
 著作者が心血を注いで作り上げた作品を正しい形で読者のみなさまにお届けするという出版社の役割を果たすため、今後も悪質な著作権侵害行為に対しては厳正に対処して参ります。

端緒 京都府警の捜査員が男性の運営する「自炊代行」のホームページを発見して発覚した。
方法 男性は、顧客から書籍を送付させ、自らスキャナーでデジタルデータ化した上、そのデジタルデータをDVDに記録もしくはストレージサーバーを通じて顧客へ提供していた。また、顧客から書籍を送付させることなく、顧客の注文に応じて、デジタルデータをDVDに複製して販売を行っていた。
家宅捜索 男性の逮捕の先立ち行われた関係先の捜索では、パソコン、スキャナー、裁断機、裁断された漫画コミック本などが押収された。
売上・期間 警察の調べによると、平成23年頃から自炊代行事業を始め、これまでに約26,000点(ファイル数では約17万)相当の自炊代行を請け負い、少なくとも約750万円の売り上げがあったものと見ている。
特記事項 京都府警によると「少なくとも、自炊代行業者に対する差止請求等の民事裁判が平成28年3月に終結した以降、こうした自炊行為そのものに対して刑事摘発がなされるのは初である」とのことである。
鑑定・告訴 (株) KADOKAWA、(株)講談社、(株)集英社、(株)スクウェア・エニックス及び各作品の著作権者

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