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著作権侵害事件

発売5日前に入手、雑誌のデジタルデータを海賊版サイトに提供か、会社経営者ら逮捕

2024年2月5日(2月26日追記)

 熊本県警察・新潟県警察合同捜査本部(熊本県警サイバー犯罪対策課、生活環境課、国際・薬物銃器対策課、熊本南署、熊本東署、八代署、大津署、人吉署、新潟県警サイバー犯罪対策課、生活保安課、新潟西署)は、2024年2月4日、都内法人の会社経営者及び従業員の2名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
 両名は氏名不詳者と共謀の上、(株)集英社が発行する漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を①都内の販売店から発売5日前に入手の上、これを海賊版サイトに提供する目的でデジタルデータ化し、②海賊版サイトへ無断アップロードをしていた著作権法違反の疑いが持たれています。
 また、漫画雑誌「週刊少年マガジン」の発行元である(株)講談社も本件の捜査協力を行っており、2024年2月25日、上記2名は漫画雑誌「週刊少年マガジン」に関する著作権法違反の疑いで再逮捕され、警察によると、「本件法人が発売前に複数の漫画雑誌を入手し、海外の複数の海賊版サイトに提供していた早バレ※の流出源とみて捜査している」とのことです。

【(株)集英社のコメント】
 漫画雑誌の内容が正式な発売日の前に違法アップロードされる「早バレ」は、SNS等を通じた拡散を伴い、発売日を心待ちにされている読者の皆様の楽しみを奪うものです。著者も大変心を痛めており、弊社として極めて問題視しています。そのため、今回の熊本県警察及び新潟県警察による刑事摘発は問題解決に向けた大きな前進と考えており、「早バレ」ルートの解明が今後の被害抑止につながることを期待するものです。
 弊社はこれからも著者が心血を注いで作り上げた作品とその権利を守り、読者の皆さまに漫画を適正な形で楽しんでいただくことができるよう、あらゆる対策を積極的に講じてまいります。

【(株)講談社のコメント】
 早バレは作者の権利を侵害するばかりではなく、発売日に読むという読者の喜びを奪う極めて悪質な行為であり、数ある海賊版の中でも特に問題視しています。今回の容疑者逮捕は、この極めて 悪質な問題の解決に向けた重要な一歩であると認識します。
 講談社は海賊版被害の拡大や蔓延を防ぐために、今後も警察と協力しながら、積極的に海賊版対策を行っていきます。

 正規発売前に漫画雑誌を無断複製して作成されたスキャンデータは、各種言語に無断翻訳され、正規雑誌の発売・配信前に主として国外の海賊版サイトに掲載され、さらにSNSや動画投稿サイトを通じて広く拡散しているものと考えられています。
 早バレにより多くのユーザーの目に触れてしまう結果、読者の楽しみを奪い、購買意欲の減衰と作品の展開に影響を生じる場合があるため、大変問題視されています(本件のような漫画雑誌に限らず、ゲームソフトでも同種の問題を確認しています)。
ACCSでは、今後も会員社とともに、悪質な著作権侵害行為に対しては断固たる措置を講じるとともに、著作物の適切な利用のための普及啓発活動を通じて、著作権が尊重される社会の実現に向けて活動を進めてまいります。

※ここにいう「早バレ」とは、正規発売日、または権利者による正式な情報公開前にその内容をWebサイトやSNS等を通じて公開する行為を言います。

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