「Share」で入手のソフトを複製し販売、男性を送致

平成19年7月10日

兵庫県警生活経済課、同生活安全企画課と灘署、長田署は平成19年5月29日、自らが運営するホームページを通じて、権利者に無断で複製したコンピュータソフトを販売していた横浜市の無職男性(40歳)を、著作権法違反の疑いで逮捕し、7月10日、神戸地検に送致しました。

男性は、平成18年12月13日ごろから平成19年5月1日までの間、アドビ システムズ インコーポレーティッドが著作権を有する「Adobe Acrobat 8 Professional」、（株）ジャストシステムが著作権を有する「JUST Suite 2007特別優待版」など合計4種類、（株）ゼンリンが著作権を有する「デジタウン東京都練馬区」他2種類のソフトをそれぞれ権利者に無断で複製したCD-R合計10枚を、三重県名張市の男性など3人に対し、郵送で販売していました。

また、逮捕同日に行われた男性宅の家宅捜索で、（株）ジャストシステムが著作権を有する「ジャストホーム3家計簿パック」、（株）インターコムが著作権を有する「まいと～くFAX8pro」、アドビ システムズ インコーポレーティッドが著作権を有する「Adobe Photoshop Elements5.0日本語版」他1社の合計5種類のソフトを、それぞれ権利者に無断で複製したCD-R9枚を、販売する目的で所持していました。

販売の特徴	男性は自らが運営するホームページ「Don-Red-horse」で、約3,000タイトルの海賊版を販売していた。
販売価格	アニメやゲーム、ビジネスソフトなどを500～5,000円で販売しており、2007年5月31日までを「New WEB Site Openセール」と称し、10,000円以上購入すると10%割引としていた。
売上・期間	警察の調べによると、男性は、平成13年から逮捕されるまでの約7年間で、約7,000人に対し海賊版を販売し、約5,600万円を売り上げたことを供述している。
端緒	平成18年2月20日に兵庫県警などが著作権法違反容疑で逮捕した男性が、今回の男性から海賊版を購入したことを供述したことから、捜査が進められていた。
家宅捜索	逮捕同日に行われた男性宅の家宅捜索では、パソコン5台、ハードディスクなどが押収された。
動機	警察の調べによると、男性は、生活費・遊興費を稼ぐため海賊版を販売していたことを供述している。
特記事項	「Don-Red-horse」のインデックスページには、検索エンジンのロボットにページの登録を許可しないタグ（メタ情報）が書き込まれていたが、海賊版を販売する各ページにはそのタグがなく、検索エンジンを通じて発見できるようになっていた。
	警察の調べによると、男性は、海賊版販売開始当時は、インターネットオークションを通じ海賊版を販売しており、その後、Webサイトを開設してからは、これまでの顧客のメールアドレスにWebサイトのURLを送る方法で、顧客をサイトに誘導していた。また、掲示板などにWebサイトのURLを記載するなどの「宣伝」も行っていたことを供述している。
	警察の調べによると、男性は、海賊版を作成するための「マスター」ソフトには、正規品ソフトだけでなく、ファイル交換ソフト「Share」を通じて入手したソフトを利用していたことを供述している。
処分結果	懲役2年6月(執行猶予4年)・罰金100万円／神戸地裁(平成19年9月27日)
鑑定及び告訴	アドビ システムズ インコーポレーティッド（アドビシステムズ（株））、 （株）ゼンリン、（株）ジャストシステム、（株）インターコム

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