平成26年度下半期の著作権侵害対策支援の状況について
平成27年6月15日
一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は、平成26年度下半期の著作権侵害対策支援活動の状況について取りまとめました。
I.平成26年度下半期の著作権侵害対策支援の概況
①昨年度に引き続き、著作権侵害防止のための啓発活動を重点的に実施した。平成26年度も、警察と共同した防犯イベントを全国規模で開催し、下半期は北海道警や愛知県警、高知県警などと共同で9回イベントを開催した。また、東京税関とも共同でイベントを開催した。 ②会員が被害を受けた著作権侵害事件への支援について、刑事摘発が行われた件数は34件で、平成25年度下半期(27件)と比べて増加した。 また、ACCS会員外の企業の著作権侵害事案への支援も実施した。 ③著作権侵害の「場」は、ファイル共有ソフトの悪用による無許諾アップロードや、インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めたほか、不良プロキシサーバーの運営事業者の全国一斉摘発が実施された。 ④組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関しての情報提供を受け付けたほか、ソフトウェア管理に関するセミナーを開催した。
II.資料
1.著作権侵害防止のための啓発活動 著作権侵害などインターネットを悪用したサイバー犯罪について、一般市民にその実態を知ってもらい被害の防止を図るとともに、著作物をはじめとした知的財産権の保護を考えるきっかけ作りを目的としたイベントを北海道警察、青森県警察、千葉県警察、愛知県警察、愛知県豊橋警察署、京都府警察、奈良県警察、高知県警察、福岡県警察と共同で開催した。 また、東京税関とは、「ニセモノ上陸阻止キャンペーン」を実施した。 ※北海道警察とサイバー防犯イベントを実施((10月11日開催) ※京都府警察とサイバー防犯イベントを実施((10月15日開催) ※東京税関とニセモノ上陸阻止キャンペーンを実施((3月26日開催)
2.刑事事件支援活動 (1)事案数 平成26年度下半期に捜査協力して刑事摘発について、11回、19事案につき事件リリースを行った。また、事件リリースは実施しなかったものの、15事案の著作権侵害事件について捜査協力し、刑事摘発が行われた。
リリース日 | タイトル |
---|---|
11月12日 | ビジネスソフトの海賊版販売、中国籍の夫婦を送致 |
11月14日 | 「FC2動画」を通じて映像を違法アップロード、男性を送致 |
11月20日 | 「不良プロキシサーバー」運営事業者らを全国一斉摘発 |
12月1日 | AKBメンバーの画像を紙幣に貼付、男性を送致 |
1月8日 | アニメやゲーム画像の無断複製シールを所持、男性を送致 |
1月21日 | 自動車用サービス技術資料の海賊版を販売、男性を逮捕 |
1月27日 | ビジネスソフトの海賊版販売、男性を送致 |
2月17日 | Webサイトで音楽番組の海賊版を販売、男性を逮捕 |
2月23日 | ファイル共有ソフト等を使用した著作権法違反事件の一斉集中取締りの実施について |
2月25日 | 「不良プロキシサーバー」一斉摘発の状況について |
3月25日 | Shareを通じて漫画作品をアップロード、男性を送致 |
(2)侵害事案数(事件リリースを行った事件に限る) 上記各事案における侵害形態の内訳は以下のとおり。(1事件での重複含む)
態様 | 事案数(前年度上半期) | ジャンル |
---|---|---|
ファイル共有ソフト「Share」 | 4(17) | アニメーション、ゲームソフト、出版(コミック等) |
ファイル共有ソフト「PerfectDark」 | 1(1) | アニメーション |
海賊版販売 | 6(6) | アニメーション、ゲームソフト、ビジネスソフト、出版、映像作品 |
動画投稿サイト | 1(1) | 映像作品 |
海賊版ソフト業務使用 | 7(0) | ビジネスソフト |
合計 | 19 |
(3)平成26年度上半期の刑事事件の特徴 ①ファイル共有ソフトを「Share」を悪用した著作権侵害事件と海賊版販売で全体の過半数を占めた。 ファイル共有ソフトの「Share」の利用実態は近年減少傾向にあるものの、依然として、著作権侵害の場として使われており、刑事摘発に加え、当協会も加盟する「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」を通じてファイル共有ソフトユーザーに対する啓発メールの送付活動などを行っている。 海賊版販売が行われた「場」としては、インターネットオークションサイトが多数を占めた。 ※ファイル共有ソフト等を使用した著作権法違反事件の一斉集中取締りの実施について(2月23日リリース) ※「ファイル共有ソフトの利用実態調査(クローリング調査)」(5月13日リリース) ※自動車用サービス技術資料の海賊版を販売、男性を逮捕(1月21日) ※ビジネスソフトの海賊版販売、男性を送致(1月27日リリース) ②海賊版ソフトの業務使用 権利者に無断で複製されたものであることを知りながらコンピュータソフトウェアの海賊版を入手して業務で使用することは、著作権法113条2項により著作権侵害とされています。 全国の都道府県警察は、平成26年11月から12月にかけて、いわゆる「不良プロキシサーバー」の運営事業者らに対し、著作権法違反その他法令違反により、全国一斉検挙が行われ、うち7事案(17都道県警、14名逮捕)の著作権法違反被疑事件につき支援を行いました。 ※「不良プロキシサーバー」一斉摘発の状況について(2月25日リリース)
2.組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止 ACCSでは不正コピーに関する情報受付窓口を設置し情報の受付を行っており、平成26年度下半期の組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関する情報提供数は56件であった。また、ACCS会員企業からの報告によると情報提供をもとに会員が和解を行った件数は19件、平成10年度以来の和解金総額の累計は約107億8,200万円となった。 また、10月には、組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止のためのソフトウェア管理セミナーを実施した。 ※ソフトウェア管理セミナー「ソフトウェア管理の実務と実例」を開催(10月8日、22日開催) 以上
本ニュースリリースに関するお問い合わせ:
(一社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
広報担当 太田
TEL:03-5976-5175 E-mail:accsnews@accsjp.or.jp
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