平成26年度上半期の著作権侵害対策支援の状況について
平成26年11月7日
一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会 (ACCS)
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会は、平成26年度上半期の著作権侵害対策支援活動の状況について取りまとめました。
I.平成26年度上半期の著作権侵害対策支援の概況
①会員が被害を受けた著作権侵害事件への支援について、刑事摘発が行われた件数は14件で、平成25年度上半期(17件)と比べると3件の減少であった。 ②著作権侵害の「場」は、ファイル共有ソフト「Share」の悪用による無許諾アップロードや、インターネットオークションの悪用による海賊版販売が多数を占めたが、海外の動画投稿サイト「FC2動画」での違法アップロードや、海賊版ソフトウェアの業務使用など、新たな場や態様による著作権侵害事件が見られた。 ③組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関しての情報提供を受け付けた。
II.資料
1.刑事事件支援活動 (1)事案数 平成26年度上半期に捜査協力して刑事摘発が行われた事案は14件となった。(7月10日、9月11日はそれぞれ2事件のリリース)
リリース日 | タイトル |
---|---|
4月23日 | 海賊版ソフトの業務使用、サーバー運営会社経営者逮捕 |
5月15日 | ショッピングサイトで役割分担、海賊版販売の3名を送致 |
5月26日 | Shareを通じてアニメ4作品をアップロード、男性を送致 |
6月20日 | ビジネスソフトの海賊版販売、男性を送致 |
6月24日 | 「FC2動画」を通じてアニメを違法アップロード、男性を送致 |
7月10日 | ビジネスソフトの海賊版、アップロードの2事件を同時摘発 |
7月24日 | Shareを通じて期間限定配信の漫画をアップロード、男性を送致 |
8月14日 | ドラマ番組の海賊版を販売、元録画代行業者の男性を送致 |
9月9日 | オークションでビジネスソフトの海賊版を販売、男性を逮捕 |
9月11日 | Shareを通じたアップロード、相次ぎ逮捕 |
9月17日 | 「FC2動画」を通じてアニメを違法アップロード、男性を送致 |
9月22日 | インターネットオークションでビジネスソフトの海賊版を販売、男性を送致 |
(2)侵害事案数 上記各事案における侵害形態の内訳は以下のとおり。(1事件での重複含む)
態様 | 事案数(前年度上半期) | ジャンル |
---|---|---|
ファイル共有ソフト「Share」 | 4(6) | アニメーション、出版(コミック等) |
ストレージサーバー悪用 | 1(1) | ビジネスソフト、音楽ソフト |
海賊版販売 | 6(7) | ビジネスソフト、映像作品 |
動画投稿サイト | 2(1) | アニメーション |
海賊版ソフト業務使用 | 1(0) | ビジネスソフト |
合計 | 14(18 表にない他の態様含む) |
(3)平成26年度上半期の刑事事件の特徴 ①ファイル共有ソフトを「Share」を悪用した著作権侵害事件と海賊版販売で全体の過半数を占めた。 ファイル共有ソフトの「Share」の利用実態は近年減少傾向にあるものの、依然として、著作権侵害の場として使われており、刑事摘発に加え、当協会も加盟する「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会」を通じてファイル共有ソフトユーザーに対する啓発メールの送付活動などを行っている。 海賊版販売が行われた「場」としては、インターネットオークションサイトのほか、ショッピングサイトや自作のWebサイトなどで行われていた。 ※Shareを通じたアップロード、相次ぎ逮捕((9月11日) ※「ファイル共有ソフトの利用実態調査(クローリング調査)」(5月13日) ※ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会 ※ショッピングサイトで役割分担、海賊版販売の3名を送致(5月15日) ②動画投稿サイトでの著作権侵害について 動画投稿サイトへの違法アップロード事件は、いずれも海外の動画投稿サイトである「FC2動画」において行われていた。 ※「FC2動画」を通じてアニメを違法アップロード、男性を送致(9月17日) ③海賊版ソフトの業務使用 権利者に無断で複製されたものであることを知りながらコンピュータソフトウェアの海賊版を入手して業務で使用することは、著作権法113条2項により著作権侵害とされており、4月23日には海賊版ソフトの業務使用での刑事摘発があった。 ※海賊版ソフトの業務使用、サーバー運営会社経営者逮捕(4月23日)
2.組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止 ACCSでは不正コピーに関する情報受付窓口を設置し情報の受付を行っており、平成26年度上半期の組織内におけるソフトウェアの不正コピーに関する情報提供数は56件であった。また、ACCS会員企業からの報告によると情報提供をもとに会員が和解を行った件数は18件、平成10年度以来の和解金総額の累計は約106億4千万円となった。 ※不正コピー発覚の医療機関とACCS会員が約2,500万円で和解(4月22日) ※ソフトウェアユーザーの皆さんへ 以上
本ニュースリリースに関するお問い合わせ:
(一社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
広報担当 太田
TEL:03-5976-5175 E-mail:accsnews@accsjp.or.jp
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