2013年05月09日

テレビゲームの展覧会と著作権

こんにちは。ACCS広報担当です。
ACCSは、今から10年ほど前にテレビゲームに関する展覧会の開催に協力いたしました。

東京都写真美術館が2003年に開催した「ファミコン生誕20周年 レベルX テレビゲームの展覧会」では、ファミコンソフトの全タイトルの展示と一部ソフトの試遊などがおこなわれました。

開催に先立ち、東京都写真美術館の要請で、ファミコンソフトの権利者捜しに協力いたしました。テレビゲームを不特定の人々に遊ばせるためには著作権者の許諾が必要なのですが、当時、ファミコンソフトの一部について、著作権を持っている会社がどこなのかわからない状態にありました。
ACCSでは「権利者をさがしています」とのニュースリリースを行い、テレビゲーム専門誌に記事を掲載していただき、一般から広く情報をいただくことができました。また、展覧会においてテレビゲームと著作権に関する講演を行いました。

次に、2004年に国立科学博物館が開催した「テレビゲームとデジタル科学展」においてもテレビゲームの著作権者捜しの協力をいたしました。

テレビゲームはプログラム本体はもちろん、映像や音楽、パッケージのイラストからマニュアルの文章まで、さまざま著作物から成り立っています。そのため、展覧会を開催するにあたっては、著作権者であるゲームソフトメーカーから利用の許諾を得る必要があるのです。

あれから10年。昔のテレビゲームが現行のゲーム機に配信されて気軽に遊べる時代になりましたが、昔のテレビゲーム実機を使用して、昔のカセットやディスクで遊ぶことは年々難しくなりつつあります。ソフトウェアはハードウェアがなければ動かすことができないので、著作権だけでなく、いかに動作環境を保存・確保するのか、という問題に差しかかりつつあるのです。
日本の文化資産であるゲームソフトが、これからも世代を超えて遊び継がれていくとよいな、と国立科学博物館の展覧会のお手伝いをした私は思うわけです。

(リンク)「ファミコン生誕20周年 レベルX テレビゲームの展覧会」(東京都写真美術館)

(リンク)「テレビゲームとデジタル科学展」(国立科学博物館)

カテゴリー:
2013(平成25)年度

ページTOPへもどる