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- 第12回 ベトナムにおける状況など
第12回 ベトナムにおける状況など
- ベトナムにおける状況
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少し古い情報となりますが、2007年にJETROバンコクが主催した知的財産権セミナー「企業内における違法ソフトウェア対策について」がタイとベトナムで開催され、ACCSからも講師を派遣しました。セミナーは日系企業の経営者およびソフトウェア管理担当者を対象とし、現地法制の説明や、ソフトウェアの違法コピー防止対策についての説明がなされました。
ベトナムを訪問した際にベトナム文化情報省著作権事務所(COV)を訪問し、著作権法などの制度やその運用・取り締まり状況などをうかがいました。違法コピー減少への取り組みについては、政府機関が使用するソフトウェアを正規版とするとの決定が行われたほか、2010年を目標に、周辺国と同等の知財保護レベルを目指すという方針を政府が打ち出したとのことでした。
また、著作権局では、市場管理機関や国防省などと協力して、企業を対象とした点検・検査活動を抜き打ちで行っており、外国との合弁企業や大手企業などに対象を絞って実施し、その結果をマスコミに公表しているとのことでしたが、件数は少ないようでした。
一方で、課題はベトナムの経済条件であり、高額な外国正規版ソフトの購入は今のところ難しいとも話していました。発展途上のために時間がかかり、対策は「ステップバイステップ」で進めるとも話していました。
当時、ホーチミンのデパートではCD,DVDの海賊版を普通に販売していました。また、週末にハノイで開催される夜市でも、音楽CDやビデオCD、DVDの海賊版が売られており、現地の若い人が目を輝かせてラベルをチェックし、購入していました。
BSAの調査によると、当時のベトナムの違法コピー率は85%で、その後違法コピー率に変化はなかったのですが2010年は83%と減少に転じています。それでも依然として高い数字です
現在も違法コピーされたソフトウェアやコンテンツが生活、ビジネスを問わず蔓延している状況は大きく変わっていないと思われます。政府による摘発が活発ではないとはいえ、現地子会社における違法コピー対策はきちんと行うべきです。
- 各国PCユーザーのソフトウェア入手方法
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これまでご紹介してきたBSAの2010年世界違法コピー調査とは別に、BSAが世界32カ国のPCユーザーに対する調査を行っています。この調査のなかで、ソフトウェアの入手を適法に行っているか、違法に行っているかについての項目についての結果をご紹介しましょう。
ソフトウェアの入手方法について「違法に入手した」「およそ違法に入手した」と回答した割合が最も多いのが中国(86%)とのことです。以下、アジア地域だけを抜粋しますとベトナム(76%)、マレーシア(68%)、タイ(65%)、インドネシア(64%)、韓国(60%)、日本(29%)、インド(28%)、の順となっています。
違法コピー率と異なる数字となっていますが、本調査も海外子会社の違法コピー発生リスクを判断する材料として参考となろうかと思います。
- おわりに
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海外子会社における違法コピーについての連載は今回で最終回となります。
法制度が国毎に異なっていたり、違法コピーの摘発までの流れが異なっていたりしますが、日本国内でソフトウェアの違法コピーとなる場合は各国でも違法コピーとなることだけは変わりません。
ですから、日本国内と同様に違法コピー対策としてのソフトウェア管理を実施すれはよいわけですが、加えて、従業員教育をしっかりと行うこと、そしてソフトウェアの導入、メンテナンスの際に違法コピーソフトが紛れ込まないように業者選びを注意すること等、各国の状況を踏まえての管理体制を整えることが必要です。
- 参照リンク
(2011年10月20日公開)