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- 第11回 フィリピンにおける違法コピーの現状
第11回 フィリピンにおける違法コピーの現状
- フィリピンの違法コピー率は69%
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本年5月に発表されたBSAの2010年世界違法コピー調査によると、フィリピンの違法コピー率は69%となっています。2006年の同調査では71%でしたが、2007年からは69%のままで推移しています。
ちなみにアジア各国の2010年の違法コピー率を見てみますと、インドネシアが87%、ベトナムが83%、中国が78%、タイが73%、インドが64%、マレーシアが56%、韓国が40%、台湾が37%などとなっています。日本は20%で、世界同率1位の低違法コピー率となりました。
- フィリピンは英語が公用語
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フィリピンは、公用語としてフィリピノ語と英語が使われており、英語が普通に通じます。そのため、ソフトウェア開発のアウトソーシング産業が盛んですが、英語版ソフトウェアがそのままフィリピン国内で使用可能なことは、ソフトウェア開発の観点からは強みである反面、海賊版の入手が容易になるという点で、違法コピーの危険性は増すものと考えられます。
- フィリピンにおける違法コピー対策
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フィリピンでは、NBI(特捜部), OMB(光メディア委員会)、 PNP(国家警察)の三機関がPAPT(The Pilipinas Anti Piracy Team)を結成し、違法コピー対策を積極的に行っています。
PARTはWebサイトを通じて組織内違法コピーに対する摘発の模様を自ら発表しているほか、過去の事件のニュース映像や新聞記事も公表しています。さらに、地域と時期を明記した調査予告も行っています。
- フィリピンでも違法コピーは犯罪です
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フィリピンでも、違法コピーは刑事、民事両方の法的責任を負います。
コンピュータソフトウェアは知財法と光メディア法の2つの法律で保護されており、知財法に違反し違法コピーを行った場合の罰則は、 初犯は1年以上3年以下の懲役に加え5万ペソ以上15万ペソ以下の罰金、再犯は3年1日以上6年以下の懲役に加え15万ペソ以上50万ペソ以下の罰金、3回目以上は6年1日以上9年以下の懲役に加え50万ペソ以上150万ペソ以下の罰金となっています。
また、光メディア法違反に基づく捜査は裁判所の令状が不要であるほか、光メディア委員会が権利者の代わりに告発が可能、という点が日本の著作権法と異なっています。
- 偽捜査官にも注意
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フィリピンにおける違法コピー率はやはり高いですので、基本的な対策はこれまでの中国、タイと変わることはありません。加えて、上記の通り光メディア委員会が無令状で調査に来る可能性がありますから、いつ何時調査に入られても大丈夫なように、ソフトウェア管理をしっかり行い、ライセンス資料とソフトウェアのインストール状況が報告できるようにしておくことが必要です。
さらに、タイ、フィリピンでは捜査官を騙った偽捜査官がいるとのことで、コンピュータをだまし取られたりしないよう、注意が必要です。
次回も引き続き、アジア各国でのソフトウェアの違法コピーの状況や対策等の情報をご紹介いたします。
- 参照リンク
(2011年8月16日公開)