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よくわかるソフトウェア管理(連載)

第6回 ソフトウェア管理を成功させるために

前回までで、ソフトウェア管理の導入の手順についてひととおり説明いたしました。 今回はソフトウェア管理を成功させるためのポイントについて説明いたします。

管理体制を構築するだけでは不十分

ソフトウェア管理を全くしていないところからソフトウェア管理を導入するまでには、大変な労力が必要です。 そのため、ソフトウェア管理導入のための体制作り(台帳の作成、管理規程類の整備)だけで「燃え尽き」てしまい、その後の運用がきちんと行われないケースがあります。 これではせっかくの努力が台無しです。


ソフトウェア管理は継続し続けることが必要

ソフトウェア体制作りのために調査した「保有ライセンス数」と「インスト-ル数」は、あくまでも「その時点」での調査結果に過ぎず、調査したその日から日々変化していくものです。 ソフトウェア管理は、不正コピーによる著作権侵害を防止するため、「保有ライセンス数」≧「インスト-ル数」の関係をキープし続けるためのものですから、継続し続けることが必要となります。


管理の重要性を経営者は理解して

しかし、社内のPCが大量に存在する場合や、使用するソフトウェアの種類が多岐にわたる場合には、単純に保有ライセンス数とインストール状況を把握、整理するだけでも大変な作業量となるでしょう。 実際に、千台、万台のPCを管理されているソフトウェア管理責任者からは管理の苦労についてお話を伺う機会が多くあります。
ACCSでは、ソフトウェア管理の実施は不正コピーによる著作権侵害を防止するため有効と考え、広く皆様に勧めています。社内での違法行為の発生を防止することはコンプライアンス経営からは当然求められますし、会社法における内部統制構築義務にも関わります。 その観点からも、ソフトウェア管理の実施はソフトウェアを使用される企業においては必須ですが、経営者の方が必ずしもその重要性を理解しておらず、予算面、人員面で十分な措置を取っていない場合には、ソフトウェア管理担当者に過度に業務が集中し、適切なソフトウェア管理をすることが困難になってしまいます。
経営者の方がソフトウェア管理の重要性と、実際の管理には金銭的にも人的にもコストがかかることを理解して、全社的にソフトウェア管理の実施を宣言していただき、必要な予算措置、人員配置と権限付与を行うことが成功への鍵となります。


管理の負担を軽減するために

ソフトウェア管理の導入並びに運用に際しては全てを自社のみで行うほかに、外部のサポートを活用して、管理の負担を軽減する方法もあります。 例えば、ソフトウェア管理の導入から運用をサポートするサービスを提供している企業があります。 また、インストール台帳・ライセンス台帳の構築・管理を補助するソフトウェア資産管理支援ツールを活用することも作業の省力化につながります。さらに、ソフトウェアのライセンスプログラムによっては、ソフトウェア管理の手間を大幅に軽減することができます。
必要となるコストと得られるメリットをご検討いただき、ソフトウェア管理を効率的に運用いただくことが、ソフトウェア管理の成功につながります。


以上、ソフトウェア管理の導入から運用について説明いたしました。ソフトウェア管理を行っていく上での疑問点、お困りの点がございましたらお気軽にACCSまでご連絡ください。

次回からは、海外子会社における不正コピーの問題と対策について説明します。
多くの企業では、国内の本社やグループ企業におけるソフトウェア管理の必要性は十分理解されていると思いますが、海外子会社についてはいかがでしょうか?
海外、特にアジア諸国での不正コピーのリスクは日本以上に高いのですが、一方で国内本社からは盲点になっているかもしれません。
そこで、海外子会社での不正コピーの問題について、実際のケースや現地の法制度の情報等をお伝えし、海外子会社のソフトウェア管理の必要性について考えていく予定です

(2010年9月13日公開)


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