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著作権侵害事件

「漫画村」を通じた漫画作品の無断アップロード、2名逮捕

2019年7月10日

 6都県警察合同捜査本部(福岡県警察、警視庁、栃木県警察、鳥取県警察、熊本県警察、大分県警察)は、令和元年7月10日、違法漫画リーディングサイト「漫画村」を通じて、漫画作品を権利者に無断で共謀の上公開していたとして、男女2名を著作権法違反の疑いで逮捕しました。
 なお、今回は1作品に関する無断アップロードの事実で逮捕に至っておりますが、下記記載の各出版社は著作権者とともに複数作品についてすでに刑事告訴を行っており、それらの立件に向けた捜査が継続される見込みです。
 ACCSでは、今後も会員社とともに、悪質な著作権侵害行為に対しては断固たる措置を講じるとともに、著作物の適切な利用のための普及啓発活動を通じて、著作権が尊重される社会の実現に向けて活動を進めてまいります。

【共同コメント】
 「漫画村」を通じたマンガの違法配信は、出版業界をあげて対応しなくてはならない最重要案件であるとして、(株)KADOKAWA、(株)講談社、(株)小学館、(株)集英社、(株)スクウェア・エニックスの5社では、ACCSを通じ問題解決に向けて共同で取り組んでまいりました。
 その一つは刑事事件としての対応で、問題発覚当初から捜査機関と連携し、情報を提供するとともに捜査に必要となる関係書類の提出を行いました。そして、上記5社の複数作品を対象として、著作権者とともに出版社自身も連名で刑事告訴を行うなどの手続きを進めてきたのです。
 刑事事件はその性質上、客観的証拠の集積によって事実を立証することが求められており、極めて詳細な証拠揃えと厳格な手続きを経て行われるものと理解しております。
 今回の「漫画村」事案は、国外のサーバーその他が悪用されるなどにより、行為者の秘匿性が高い中で侵害行為者の具体的特定に多くの困難を伴ったものと推測いたします。
 こうした状況下において、捜査機関による地道な捜査が結実し、侵害行為者が特定されたことで今般逮捕に至りました。さらに、サイト運営者の男性は逃亡先とみられるフィリピン国内において現地当局に拘束され、今後日本国内において逮捕される見通しと聞き及んでおります。日本の捜査当局ならびにフィリピン当局の尽力に感謝するとともに、これを機に「漫画村」の全容が解明されることを期待します。
 共同対応した5社は、引き続き捜査の行方を見守るとともに、著者並びに出版社が受けた甚大な被害を回復すべく民事訴訟の手続きも検討してまいります 。
 残念ながら悪質な海賊版サイトによる被害は甚大で、いまもなお多数の海賊版サイトが跋扈しておりますが、関係各方面と協力して、これらの根絶に向けて今後も努力していく所存です。

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