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著作権侵害事件

海賊版の業務使用で全国初、代表取締役男性と法人を送致

平成22年11月26日

 長野県警生活環境課と上田署は、権利者に無断で複製されたものであると知りながらコンピュータソフトウェアの海賊版を入手し、業務で使用していた代表取締役男性A(50歳)と、Aが経営しているペット用品販売店Bを、平成22年11月26日、著作権法違反の疑いで長野地検上田支部に送致しました。
 男性Aは、平成22年6月中旬ごろ、アドビ システムズ インコーポレーティッドが著作権を有する「Adobe Photoshop CS3 EXTENDED 日本語版」、「Adobe Illustrator CS3 日本語版」が権利者に無断で複製されたものであることを知りながらファイル共有ソフトを通じて入手した上で、パソコンにインストールし、業務で使用していました。

端緒 平成22年5月10日に、オークションで海賊版を販売して逮捕された長野県上田市の会社員男性の販売先に、ペット用品販売店Bがあったことから、業務使用の可能性があるとして、捜査が進められた。
特徴 男性Aは、業務で使用するために、会社員男性から海賊版を購入し、その後、さらに新しいバージョンをファイル共有ソフトを通じてダウンロードし、使用していた。
警察の調べによると、男性Aは、ペットグッズのカタログや商品タグ等のデザインに違法コピーを使用していた
家宅捜索 平成22年8月にはB店事務所などの家宅捜索が行われ、パソコンなどが押収された。
供述 男性Aは、B店で使用されていた「Adobe Photoshop CS3 EXTENDED 日本語版」、「Adobe Illustrator CS3 日本語版」について、ライセンスを保有しておらず、違法コピーであることを認めている。
特記事項 海賊版ソフトウェアの業務使用による送致は、全国初。
鑑定・告訴 アドビ システムズ インコーポレーティッド(アドビシステムズ(株))

専務理事・事務局長、久保田 裕のコメント

 海賊版と知りつつ入手したソフトウェアを業務で使用する行為は、著作権侵害です。また、海賊版の購入は犯罪行為者に金銭が支払われるだけで、労力をかけてソフトウェアを創ったソフトウェアメーカーは何らの対価を得ることがなく、新しいソフトウェアを創り出せなくなります。
 インターネットオークションにおいて、海賊版出品者の摘発は続いていますが、一方でその落札者が、海賊版であることを確認した上で、「問題なく動作した」「また取り引きしたい」などとの「評価」を付けている実態があります。海賊版の購入は、著作権侵害に加担する行為であり、さらには、今回の事件のように、自らが侵害を行う可能性も高くなります。
 今回の捜査・摘発が、海賊版の購入、さらには業務使用の典型例である組織内違法コピーに対して、大きな警鐘となることを期待します。
 著作権者、そして、あなた自身を守るためにも、海賊版を買わないでください。

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