「ジャパネットおかま」からノウハウを入手、海賊版販売グループを逮捕
平成21年1月16日
青森県警生活環境課、青森署、岩手県警生活環境課、岩手署、北海道警生活経済課、岩見沢署の合同捜査本部は平成21年1月15日までに、ヤフーオークションや自らが開設したWebサイトを通じ、権利者に無断で複製したビジネスソフトを販売していた大阪府守口市の無職男性A(37歳)、和歌山市の無職男性B(28歳)、大阪府東大阪市の派遣社員男性C(34歳)の3人を、著作権法違反の疑いで逮捕しました。
Aは、Bと共謀の上、平成19年9月12日ごろから同年12月11日ごろまでの間、アドビ システムズ インコーポレーティッドが著作権を有する「Adobe Premiere Pro 日本語版」、オートデスクインクが著作権を有する「AutoCAD 2008」の計2種類のソフトウェアをそれぞれ権利者に無断で複製したCD-R等2枚を、北海道恵庭市の男性ほか1人に対し、計3,000円で販売していました。
さらにAは、Cと共謀の上、平成20年5月26日ごろから同月28日ごろまでの間、(株)ジャストシステムが著作権を有する「一太郎2008」、マイクロソフトコーポレーションが著作権を有する「Microsoft Windows Vista Ultimate」の計2種類のソフトウェアをそれぞれ権利者に無断で複製したCD-R等2枚を、青森市の女性に対し、計2,800円で販売していました。
販売の特徴 | AはBと共謀し、平成19年9月ごろから、「ヤフーオークション」で正規品の出品を装い、画面上に「廉価版はこちら」と記載した問い合わせフォームを設置。
顧客が自分のアドレスを送信すると、海賊版リストが記されたメールが自動返信され、その後はメールのやりとりを通じて海賊版を販売していた。 平成19年12月ごろからは、自動送信されるメールの内容が、男性らが開設したWebサイトのURLに変更。 顧客はWebサイトを通じて海賊版を購入していた。 Webサイトは、平成20年1月ごろに閉鎖された。 その後、AはCと共謀し、平成20年5月ごろから7月ごろまでの間、新たに開設したWebサイトを通じて海賊版を販売。 これまでの顧客に対し、URLを記したメールを送信し、顧客をWebサイトへ誘導していた。 またAは、同年10月ごろから逮捕される11月4日までの間にも新たに開設したWebサイトを通じ、同様の手法で販売を続けていた。 |
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Aは主犯として、B及びCに対して海賊版販売の具体的な指示をしていた。 Bは海賊版の製造、入金管理を行っていた。Cは、海賊版を製造していたアパートの賃貸契約を行っていた。 |
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販売価格 | 約50タイトルのビジネスソフトを1枚1,500円程度で販売していた。 |
売上・期間 | 警察の調べによると、男性らは、少なくとも平成19年9月から同年12月までの3ヵ月間で、約2,100万円を売り上げていた。 |
端緒 | 青森県警、岩手県警、北海道警の捜査員がサイバーパトロールで男性らの海賊版販売行為を発見し、それぞれがACCSを通じて著作権者に連絡した。 ACCSは、これらに類似点が多いことなどを指摘し、3警察が捜査した結果、購入者が全国に及ぶ広域犯罪であること、複数の被疑者による組織的な犯行であることなどから、平成20年12月22日付けで3警察による合同捜査本部を設置した。 |
家宅捜索 | Aの逮捕に先だち平成20年11月4日に行われた「海賊版製造工場」であるアパートの捜索では、PC2台、移動端末機器3台、販売目的所持の海賊版約200枚、マスターとして購入した海賊版200枚など、約200品目が押収された。 |
動機 | 男性らは生活費のため海賊版販売を行っていたことを供述している。 |
ACCSへの情報提供 | 一般や会員の方から、ACCSにヤフーオークションに関しては10件、Webサイトに関しては6件の情報提供があった。 |
特記事項 | Aは、平成20年6月5日山形県警村山署などに逮捕された「ジャパネットおかま」という名称の海賊版販売サイトを運営していた男性らの知人であり、Webサイトを次々に変える方法など海賊版販売のノウハウや「マスター」ソフトの提供などを受けていた。Aは、村山署に逮捕された男性らの裁判を傍聴していたことも供述しており、海賊版販売の違法性を十分に認識しながらも販売を続けていた。「ジャパネットおかま」をマスターの入手元とした海賊版販売の刑事摘発は3件目。 |
警察は、弥生(株)が著作権を有するソフトウェアの海賊版が販売されていた事実も確認しており立件を予定している。 | |
処分結果 | A:懲役2年(執行猶予3年)・罰金50万円/青森地裁(平成21年3月13日) B:懲役3年(執行猶予5年)/和歌山地裁(平成21年4月15日) C:起訴猶予 D:懲役1年6月(執行猶予3年)/青森地裁(平成21年4月20日) |
鑑定及び告訴会社 | アドビ システムズ インコーポレーティッド(アドビシステムズ(株))、 オートデスクインク(オートデスク(株))、(株)ジャストシステム、 マイクロソフトコーポレーション(マイクロソフト(株))、弥生(株) |
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