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活動報告

デジタル時代の著作権協議会(CCD)シンポジウム2008開催

平成19年3月28日更新

平成20年4月14日、古賀政男音楽博物館けやきホール(東京都渋谷区)にて、デジタル時代の著作権協議会(以下、CCD)が主催するシンポジウム「デジタルコンテンツ流通の課題2008~権利情報の共有化におけるガイドライン~」が開催されました。

CCDは、デジタル化、ネットワーク化時代にふさわしい著作権及び著作隣接権の保護と公平な利用を促進し研究成果を一般に公開することで著作権思想の普及に寄与することを目的として平成11年に設立され、現在、権利者31団体が参加しており、ACCSの辻本憲三理事長が副代表幹事を務めています。

同シンポジウムでは、法制度からのアプローチを主とする「権利問題研究会(主査:ACCS久保田裕専務理事・事務局長)」と、著作権ビジネスにおける契約や流通を検討する「著作権ビジネス研究会(主査:(社)日本音楽著作権協会菅原瑞夫常務理事)」の2つの研究会が活動の成果を発表しました。

久保田専務理事は、昨年度権利問題研究会にて検討した事項について報告を行いました。具体的には、イタリアにおける海賊版販売の現況及び刑事摘発までの手続きの経緯について、ACCSが実施した侵害調査の取材映像を交えた説明のほか、ファイル共有ソフトWinnyの機能説明や、ACCSなどで実施した「ファイル交換ソフトの利用に関する調査」の結果を交えた実態報告、ファイル共有ソフトでの著作権侵害の対策報告など多岐にわたりました。さらに、民間の研究団体「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」が今年3月に政策提言したいわゆる「ネット法」構想において、デジタルコンテンツの流通促進を図るため、著作権(許諾権)を報酬請求権化することが議論されていることに対して、「現状の著作権制度においても、権利者・事業者・ユーザー間の契約スキームを整理することや、DRM(デジタル権利保護技術)を使用した流通・決済システムを確立することで、関係する当事者の意思が反映されたコンテンツ流通が実現できる」と指摘し、著作権を弱体化させる報酬請求権化ありきの議論は妥当ではないと意見を述べました。

また、著作権ビジネス研究会の主査である菅原常務理事は、同研究会にて検討を行ってきた「権利情報の共有化における著作者・実演家の氏名表示等に関するガイドライン」について報告を行いました。その中で、各著作権等管理団体において権利者情報やコンテンツ情報のデータベース構築など情報共有化に向けた取り組みが実施されているが、権利者情報や作品情報の記載方法(たとえば、通常コンピュータで使用されていない文字、いわゆる外字の扱い方)が異なっていることにより、情報共有化に向けた取り組みの妨げになっている事実をあげた上で、同ガイドラインを提案することで、記載方法の統一が図られ、情報共有化に向けた取り組みが推進されるとの意見を述べました。

シンポジウムに参加した約150人は、両研究会での活動報告に熱心に耳を傾けていました。

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