日本のアニメやゲームソフトの海賊版対策でイタリアの著作権管理団体「SIAE」と合意を締結
平成19年6月14日 更新
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、イタリアの著作権管理団体「イタリア著作者出版者協会」(SIAE:Societa Italiana degli Autori ed Editori)と、イタリア国内における日本コンテンツの海賊版対策で相互に協力することに合意し、5月28日付で合意文書を取り交わしました。
イタリアでは、日本のアニメーションやゲームの人気が高い一方で、海賊版が横行しています。ACCSでは、会員会社からの情報提供に基づき、2004年からイタリア国内で実態調査を行ってきました。その結果、多くの日本コンテンツの著作権が、海賊版などの形態で侵害されている事実を確認し、2006年3月には、ACCS会員企業6社が行った刑事告訴を受け、ローマ市の財務警察(Guardia di Finanza)が、海賊版DVDを販売していたローマ市内などのアニメショップ3店舗を著作権法違反の疑いで家宅捜索し、400枚を超えるアニメーションやゲームなどのDVDなどを押収しています。
(写真右より)
SIAE 侵害行為対策部門部長 Vito Alfano氏
ACCS 専務理事・事務局長 久保田 裕
ACCS顧問 野村 吉太郎弁護士
イタリア国内では、著作物を流通させる際にはSIAEに許可を得なくてはならないことが、著作権法によって規定されています。許可を得た著作物には、SIAEのマーク(シール)が貼付され流通する仕組みになっていますが、ACCSの調査や先の事件を通じては、海賊版についてもこのシールが貼付されていることが明らかとなりました。これは、SIAEへの許可申請の際、流通に関する正規ライセンスを有しているとの虚偽の報告が行われていることによるものと考えられるため、ACCSでは、シールを発行するSIAEの協力を得ることが、イタリア国内の海賊版対策には不可欠であると考え、昨年よりSIAEとの間で協議を開始し、今回の合意に至ったものです。
日本コンテンツがイタリア国内でも適切に保護され、すべての人々が正規版を手にする健全な市場を確立するために、ACCSとSIAEは、今後、海賊版対策の具体的な方策を検討するなど、今回の合意に基づいた協力関係を構築してまいります
- SIAE と ACCSは、日本の著作者により創作されたビデオ・ゲーム、コンピュータソフトウェア、映画およびアニメをはじめとする作品を収録した媒体について、イタリア国内における輸入、頒布、販売の情報を交換することを、司法調査に関する秘密、警察の捜査に関する秘密、極秘情報、および、名誉毀損とプライバシー保護に関してイタリアの法令で定められている制限の範囲内において、同意した。
- SIAE と ACCSは、著作者と消費者双方に著作権法の規定を遵守する必要性を認識させることを目的とし、できるかぎり適切な措置をとることを約束した。
- SIAE と ACCSは、日本の著作物に対するイタリア国内での侵害行為を防止するべく、イタリアの法令で定められている制限の範囲内において、協力することを約束した。
イタリア著作者出版者協会(SIAE:Societa Italiana degli Autori ed Editori)について
SIAEは、著作権保護活動を目的として、1882年に設立された公益団体である。 イタリア著作権法では、第180条以下で権利管理団体について規定しており、同法に基づき、SIAEはイタリア国内で唯一の著作権管理団体として設置されている。本部をローマに置き、イタリア国内に13の州支部、55の県支部、600の市町村支部を有し、5,000人の職員を擁し活動している。 イタリア国内においては、SIAEが発行するマークがない著作物は流通させてはならないことになっている。 また、海賊版対策のために、米Motion Picture Association(MPA)、Business Software Alliance(BSA)など各国の著作権保護団体とも協力している。
参考:イタリアでのアニメ・ゲームの海賊版販売、ローマなどの3店舗を摘発(平成18年4月7日)
以上
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