韓国ジョンダルセ電話図書館視察
平成19年12月4日更新
平成19年11月15日、ACCSの久保田専務理事は、韓国ソウル市内の「ジョンダルセ電話図書館」を訪問し、視覚障害者のためのサービスを視察しました。この図書館は、韓国視覚障がい者図書館協議会会長であるシン・インシク氏が館長を務める、2000年5月福祉図書館として認可を受けた図書館です。
今回の視察は、久保田専務理事が理事を務める特定非営利活動法人全国視聴覚障害者情報提供施設協会(全視情協)から依頼を受け、韓国で実現されているサービスが日本でも実施可能かどうかを全視情協において研究する一助とするために実施したものです。
ジョンダルセ電話図書館は、視覚障がい者を対象に書籍や雑誌のほかインターネットウェブサイトの音声再生サービスを行っています。視覚障がい者は、指定の電話番号にダイヤルし、コンテンツをプッシュボタンで選択して、再生される音声を聞きます。再生や巻き戻しなどもプッシュボタンで操作できるようになっています。
書籍や雑誌に関しては、ジョンダルセ電話図書館が自社にて入力した音声が利用されていますが、ウェブサイトに関しては、韓国ではテキストに音声データを付加することが一般的であり、この音声データが再生されます。リアルタイムに情報が更新される掲示板や音声データのないウェブサイトについては、「テキスト読み上げソフト」によって、電話会社から提供されている声のデータを利用しテキストの読み上げが行われる仕組みとなっています。画像については、キャプションや画像データの名称等のメタデータと近くに配置された文章から自動的に要約を作成して音声再生が行われます。
このほかにも、利用者同士がコミュニケーションできる機能を備えており、視覚障がい者のための音声ポータルとして利用されていると説明されました。
韓国の著作権法では、視覚障がい者の福利を目的とする非営利の施設については、著作物の録音や視覚障がい者専用の方式での複製、配布、伝送が許されています。
一方、日本でも平成18年の臨時国会での著作権法の改正により、本年7月1日から点字図書館等の視覚障害者向けサービスでネット送信が可能となるなど、障がい者に対する権利制限の範囲が拡げられています。
今後ACCSでは、著作権の保護の側面だけではなく、著作物の正当な利用の観点からも、広い視野を持った活動を行っていきます。
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