「著作権の保護期間の延長問題を考えるフォーラム」第1回公開トークイベント
平成19年3月28日更新
平成19年3月12日、慶應義塾大学三田キャンパスにて、著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(国民会議改め)が主催した第1回の公開トークイベントが開催されました。同フォーラムは、著作権の保護期間の延長が検討されている中、この問題について広く議論を行うために、クリエイター、アーティスト、研究者等が発起人となって設立され、活動しています。ACCSからは、久保田裕専務理事・事務局長のほか、ACCS理事で漫画家の松本零士氏が発起人として参加しています。
当日のイベントでは、IT・音楽ジャーナリストの津田大介氏がコーディネーターを務めると共に、4名のパネリストが出席し、保護期間の延長に賛成・反対それぞれの立場から様々な意見を述べました。
ノンフィクション作家で同フォーラム発起人である佐野眞一氏は、著作権の保護期間の延長により創作者の創作意欲が増すというのは俗論であるということを述べると共に、著作権の保護期間の延長問題については、より広い分野の方々から意見を求めるべきであること等を話しました。
次いで、写真家で(中)日本写真著作権協会常務理事の瀬尾太一氏は、著作物の保護期間を70年に延長すること自体は賛成としつつ、著作物の利用促進という点と、保護期間の延長問題とは別個に取り扱うべき問題であるということ等を話しました。
そして、情報セキュリティー大学院大学副学長・教授で、同フォーラムの発起人である林紘一郎氏は、著作権の保護期間は自由化すべきと述べた上で、現在の著作権法より短い基礎的な保護期間を設け、その期間以上に著作権者が保護を求めるのであれば保護期間の更新を申請するという「著作権の更新制度」を提案されました。
それから、作家で(社)日本文藝家協会副理事長の三田誠広氏は、米国やEUが保護期間を70年としていることなどを考慮すると、世界標準が70年となりつつあるとした上で、日本の著作権法も世界標準と合わせ70年にすべきであるという見解を述べました。
当日は、会場が満席となる程の聴衆が詰めかけ、熱気に包まれていました。また、質疑応答の時間には、聴衆から鋭い意見がパネリストに投げかけられるなど、著作権の保護期間改正問題に高い関心が寄せられていることをうかがわせました。
なお、同フォーラムでは今回のようなトークイベントを開催するなどして、今後も活動を進めていくとのことです。
- 年度を選択
- 2000(平成12)年度(3件)
- 2001(平成13)年度(5件)
- 2002(平成14)年度(9件)
- 2003(平成15)年度(11件)
- 2004(平成16)年度(15件)
- 2005(平成17)年度(14件)
- 2006(平成18)年度(14件)
- 2007(平成19)年度(42件)
- 2008(平成20)年度(37件)
- 2009(平成21)年度(34件)
- 2010(平成22)年度(29件)
- 2011(平成23)年度(19件)
- 2012(平成24)年度(28件)
- 2013(平成25)年度(28件)
- 2014(平成26)年度(32件)
- 2015(平成27)年度(29件)
- 2016(平成28)年度(14件)
- 2017(平成29)年度(6件)
- 2018(平成30)年度(9件)
- 2019(令和元)年度(12件)
- 2020(令和2)年度(9件)
- 2021(令和3)年度(8件)
- 2022(令和4)年度(17件)
- 2023(令和5)年度(7件)
- 2024(令和6)年度(2件)