-音楽ファイルのダウンロード数は、延べ7, 500万ファイルに -
「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果まとまる
2002/5/29 更新
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)
社団法人日本レコード協会(RIAJ)
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)及び社団法人日本レコード協会(RIAJ)は、この度、「ファイル交換ソフト利用実態調査」を実施し、報告書としてとりまとめました。
この調査は、最近日本国内でも一般的に利用されるようになってきた「WinMX」をはじめとするファイル交換ソフトの利用実態を様々な側面 から、総合的かつ定量的に把握することを目的として実施したものです。昨年7月に中間報告を実施しましたが、今回はその最終報告となります。
わが国の著作権法上では、ファイル交換ソフトを利用し、無許諾で他人の著作物等をネット上に「公開」(アップロード)することは、公衆送信権及び送信可能化権を侵害する行為となります。しかし、現実には、音楽ファイルの違法な「公開」は多数行われており、また、ブロードバンドの普及に伴い、音楽ファイル以外にも、画像、ミュージックビデオや映画等の映像ソフト、テレビゲームやパソコンソフト等のあらゆるデジタルコンテンツがファイル交換ソフト上で「公開」されるようになっています。
このような状況下において、今回の調査結果は、コンテンツ産業の今後のファイル交換ソフトへの対応に資するものと考えております。
調査結果の主なポイントは以下の通りです。
- 国内でのファイル交換ソフトの利用者は、2002年1月の時点でインターネットユーザー人口全体の3.0%に当たる約68.4万人と推計され、「過去に利用していた」人(約76.6万人)と合わせると、これまでに約145万人がファイル交換ソフトを利用した経験があることになります。
- 2001年5月の調査では、ファイル交換ソフト利用者は約100万人で、2002年1月調査時点では約32万人弱減少したことになりますが、この主な要因は、「Napster」のサービス停止、昨年11月の「WinMX」ユーザーの刑事摘発報道による著作権意識の浸透等、であると考えられます。
- よく利用するファイル交換ソフトは「WinMX」が79%と最も多くなっています。
- 2002年1月時点では、ファイル交換ソフト利用者のうち47%が、1人当たり平均121ファイルを「公開」したことがあります。また、現在利用者1人当たり平均117ファイルをダウンロードしており、そのうちの「音楽ファイル」のダウンロード数は平均75ファイルとなっています。
- 2002年1月時点までの音楽ファイルのダウンロード総数は約7,500万ファイルに達しており、同数の音楽ファイルが送信されていたことを意味します。
- 本調査では、2001年5月~9月に発売された主な21作品のシングル曲について、「公開」件数を継続的に観察する調査も実施しました。その結果 、5月16日~12月31日の毎週水曜日20時~21時の「WinMX」を通じた「公開」数は、1作品当たり平均203ファイル、最大1,138ファイルにもなり、発売後30週を超えてもなお「公開」が続いているといった実態も判明しています。
前述のとおり、「Napster」のサービス停止等の影響で、我が国のファイル交換ソフト利用者は2001年5月から2002年1月にかけては減少傾向にあったことになります。しかし、現在利用を止めているユーザーの内、約4割が「また利用したい」、「機会があれば利用したい」としており、利用したことのないユーザーでも、4割強がファイル交換ソフトに強い関心を示しています。今後ブロードバンドの普及等通 信インフラが整備され、ファイル交換ソフトの使い勝手の向上が見込まれる中、何らかの対策を講じなければ、再びファイル交換ソフトを利用したコンテンツの違法利用が急激に拡大する可能性があるといえます。
ファイル交換ソフトを利用し、無許諾で他人の音楽やソフトウェア等の著作物等をネット上に「公開」(アップロード)することや実際に公衆に対して送信することは公衆送信権(著作権法23条1項)や送信可能化権(同法96条の2)の侵害に当たります。このようなファイル交換ソフトを利用したコンテンツの違法利用の拡大を放置していくと、クリエータの創造へのインセンティブが失せ、創作活動に悪影響を与えることは必至です。
今回の調査結果を踏まえ、ACCS及びRIAJでは、他のコンテンツ関連団体とも連携を取りながら、ブロードバンド時代における一層の文化発展に寄与するため、今後も「速やかに」かつ「多方面 から」の対策を講じていく所存です。
具体的には、著作権等の侵害を前提とするサービスの提供者や悪質なユーザーに対する法的措置等断固たる策を講じていきます。また、著作権の遵守をファイル交換ソフトユーザ―に対して直接訴えかける等、著作権ルールの浸透に向けた各種広報啓発活動や教育現場における著作権教育の支援等を実施していきます。
なお、この調査は、社団法人私的録音補償金管理協会(sarah)の共通 目的基金の助成を受けて行われました。
以上
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