ファイル共有ソフトのユーザーは引き続き減少~「ファイル共有ソフトの利用実態調査(クローリング調査)」結果~
一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会不正商品対策協議会
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と不正商品対策協議会(ACA)はこのたび2014年1月に実施したファイル共有ソフトのクローリング調査の結果を取りまとめました。 クローリング調査は、ファイル共有ソフトのネットワーク上に流通している情報を自動的に取得し、分析したもので、調査対象はWinny、Share、PerfectDark、Gnutella、Bittorrentの5種類のファイル共有ソフトとしています。 ノード数については、Winnyが1日あたり約1.2万台(2013年1月調査では2万台)、Shareが約4.4万台(2013年1月調査では5.9万台)、PerfectDarkが1日あたり約2.4万台(2013年1月調査では3.4万台)という結果となり、いずれも減少が続いております。 ACAでは、この結果について、ファイル共有ソフトを通じた著作権侵害について、悪質な侵害者に対してはACA加盟団体や権利者による刑事告訴を行う一方、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)の実施する啓発メール送付活動への参加をはじめとする様々な啓発等の対策を実施してきた成果と考えています。 ファイル共有ソフト等を悪用した著作権法違反の全国一斉集中取締りについては、2009年の初実施から2014年までの間に5回実施されるなど、同種事犯の効果的な取締りが継続されています。 また、ACA加盟団体は、「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)」に加盟し、ファイル共有ソフトのネットワークに著作権侵害コンテンツを公開しているユーザーに対して、ISPの協力のもとファイルを削除するよう啓発メールを送付する活動を実施しています。2010年のメール送付活動開始以降、Winny、Shareユーザーに対して、延べ37,000通の啓発メールを送付してきました。2014年4月からは、新たにGnutella、BitTorrentユーザーに対して啓発メール送付するなど、日本国内で悪用されているファイル共有ソフトをほぼ網羅するなど対象を拡げ、啓発活動を推進しています。 しかしながら、各ファイル共有ソフトにおけるコンテンツの流通状況では、調査対象とした著作物のうち、無許諾でアップロードされたと推定されるものの割合には大きな変動は見られず、著作権侵害の規模としては未だ甚大であり、コンテンツビジネスを阻害する深刻な問題であることに変わりはありません。 ACAおよびACCSは今後とも、警察庁をはじめ関係各省庁、関係団体等と緊密に連携しつつ不正商品の排除と知的財産の保護に向けた活動を推進してまいります。
本クローリング調査結果はこちらからダウンロードできます。
クローリング調査結果(ポイント)
「Winny」
「Share」
「Perfect Dark」
「Gnutella」
「BitTorrent」
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- ※1 「ノード」とは、ネットワークに接続しているPC等の端末を指す。 なお、今回新たに調査対象としたGnutellaおよびBitTorrentについては、世界的に利用されているファイル共有ソフトであるため、利用者数が非常に膨大であり、Winny、Share、PerfectDarkのように当該ファイル共有ソフトネットワークを網羅することはできないため、ノード数については調査対象としていない。
- ※2 調査対象著作物および、アダルト、同人コンテンツの合計。前回までの調査では、アダルト、同人コンテンツを除いたものを「著作物と推定されるもの」として発表していたが、アダルト、同人コンテンツも著作物であることから、今回より集計方法を変更した。
調査概要
Winny、Share、PerfectDark、Gnutella 各ファイル共有ソフトネットワークに対応した手法を用いてネットワークを巡回し、実際に流通している情報を取得・分析して実施。
- 日時
- 2014年1月17日17:00~2014年1月18日17:00(24時間)
- 利用したソフトウェア
- P2P FINDER BitTorrent 利用者が多く代表的とされるインデックスサイトの1年分(2013年1月19日~2014年1月18日)の新着トレントファイルを自動収集して実施。