「ホットライン」でフォントプログラム無断アップロード
2005年2月23日
被疑者 | 兵庫県神戸市 会社員男性(25歳) |
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逮捕日 | 平成17年2月23日 |
捜査機関 | 福岡県警生活安全総務課、博多署 |
鑑定および告訴会社 | (株)フォントワークスジャパン |
パソコンのハードディスク領域などを公開することができる無料ソフト「ホットライン」を使って、(株)フォントワークスジャパンが著作権を持つフォントプログラムを無許諾アップロードしていた事件。同社のフォントプログラムには固有のユーザーデータが含まれており、今回の事件では、このユーザーデータを証拠として、正規ユーザーを流通元にインターネットを通じたプログラムのコピーと送信が繰り返されていたことが判明しました。
ACCSの調査では、会社員男性は、販売価格に換算可能なものだけでも約1億1,000万円相当の3,280ファイルものプログラムをアップロードした「ホットライン」サーバーを管理・運営していました。その上で男性は、「ホットライン」の機能を使ってダウンロード希望者を募り、これに応じた者に対して既にアップロードしているもの以外のソフトを提供するよう要求し、この条件を満たすと、IDとパスワードを発行してソフトをダウンロードさせていました。
このような運営ルールに基づいて、会社員男性は、既に検挙されていた大阪市の男性A(47歳)と共謀し、(株)フォントワークスジャパンが著作権を持つフォントプログラム「LETS」で提供される「CID ATMFONTS」のプログラムを、平成16年6月、会社員男性の「ホットライン」によって公開されるハードディスクの領域に保存して、インターネット上に公開し、同社が持つ公衆送信権を侵害しました。
また会社員男性は同様の方法で、札幌市の男性B(44歳)と共謀して、平成16年6月、「LETS」で提供される「Open Type FONTS」のプログラムをインターネット上に公開し、同社の公衆送信権を侵害しました。
今回の摘発に先立って同署は、平成16年12月、フォントプログラムが無断アップロードされていた別の「ホットライン」サーバーを管理・運営していた熊本市の男性C(33歳)を公衆送信権侵害の疑いで逮捕していますが、Cが運営するサーバーには、熊本市の男性D(40歳)のユーザーデータが含まれたフォントプログラムがアップロードされており、今回、AとBが会社員男性のサーバーにアップロードしたフォントプログラム「LETS」のいずれにも、このDのユーザーデータが含まれていました。
今回の一連の摘発から、Dが購入したフォントプログラムが、アップロードされたCのサーバーなどを経由してAやBに送信され、さらに会社員男性のサーバーにアップロードされるという、インターネットを通じた複製・送信の連鎖が浮き彫りになりました。このような、無断アップロードされたプログラムに埋め込まれたユーザーデータから流通元が特定されたのは初めての事例です。
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