1. TOP
  2. 著作権侵害事件
  3. ネットで「代理店」を募り組織的に海賊版を販売

著作権侵害事件

ネットで「代理店」を募り組織的に海賊版を販売

2003年6月18日

被疑者 大阪府枚方市 美術商男性A(51歳)
兵庫県尼崎市 健康食品販売業男性B(47歳)
兵庫県芦屋市 無職男性C(34歳)
兵庫県神戸市 無職女性D(51歳)
兵庫県伊丹市 中古バイク回収業男性E(42歳)
愛知県豊橋市 男子大学生F(22歳)
鹿児島県鹿児島市 マンション管理人男性G(52歳)
送検日 平成15年年6月18日
捜査機関 兵庫県警生活経済課・西宮署・尼崎西署・垂水署
鑑定および告訴会社 マイクロソフトコーポレーション(マイクロソフト(株))
アドビ システムズ インコーポレーティッド(アドビシステムズ(株))

AとBは共謀して、平成15年1月下旬から同4月中旬までの間、滋賀県近江八幡市の会社員男性など2人に対して、アドビ システムズ(株)の「Adobe Acrobat 5.0」などを無許諾で複製したCD-R3枚を、合計1万円で販売していました。

Cは、平成15年2月中旬から下旬にかけて、兵庫県美方郡の会社員男性など3人に対して、マイクロソフト(株)の「Microsoft Windows XP」などを無許諾で複製したCD-R4枚を、合計2万4,000円で販売していました。

Dは、平成15年3月初旬から同4月下旬までの間、兵庫県神戸市の会社員女性など3人に対して、マイクロソフト(株)の「Microsoft Office v. X for Mac」などを無許諾複製したCD-R3枚を、合計1万7,000円で販売していました。

Aは、平成14年11月ごろから、海賊版ソフトの販売を宣伝する「Y's MEDIA」と名付けたホームページを自作して海賊版販売を開始。ビジネスソフトなどのコンピュータソフト18タイトルのリストを、パッケージ写真とともにホームページに掲載するなどして海賊版の販売を宣伝し、1タイトル当たり2,000円から8,000円で、18本セットの場合は50,000円で販売していました。

更にAは、海賊版販売の宣伝を担当する「販売代理店」を募集し、応募者にはAの自作ホームページと同内容のページを提供して、Aのホームページを設置しているサーバにそれぞれのホームページを設置させ、集客を行わせていました。「販売代理店」のホームページは、C、Dの管理するものの他に、約30件が確認されており、Aのホームページアドレス下の階層に、規則性を持ったアドレスを振り分けて設置されていました。

Aは、「開業」のためにAに最初に支払う金額に応じて、2種類の「販売代理店」を設定し、資金が10万円の場合は海賊版の売り上げの50%、5万円の場合は売り上げの25%を「販売代理店」の利益とすることなどを規定していました。「販売代理店」ホームページでは、海賊版販売については宣伝と代金の受け取り(銀行振り込み)を行わせ、購入申し込みの電子メールなどはAに転送させて、海賊版の作成はBが、海賊版の発送などはAがまとめて行っていました。

また、海賊版販売の宣伝広告について、C、Dはそれぞれのホームページのほかに「ヤフーオークション」も悪用しており、オークションに出品した海賊版については、そのまま落札させていたほか、出品物紹介の欄に問い合わせ先の電子メールアドレスや海賊版販売のホームページのアドレスを記載するなどして、顧客を集めていました。

A、C、Dの海賊版の販売先は全国にわたっており、Aの銀行口座には「販売代理店」からの振り込みを含む全国の70人以上から約725万円が入金されていることが確認されているほか、Cについては約330人からの約265万円、Dについては約540人からの約450万円の銀行口座への入金が確認されています。

その後、「販売代理店」として、E、F、Gの男性3人が同じく著作権法違反の疑いで逮捕されています。

Eは、平成15年6月2日から同6月6日ごろまでの間、3回にわたってマイクロソフト(株)の「Microsoft Windows XP Professional」やアドビシステムズ(株)の「Adobe Illustrator10 日本語版」など3種類のソフトウェアを、兵庫県内の男性など3人に対して合計2万6,000円で販売していました。

Fは、平成15年3月4日から同5月20日ごろまでの間、2回にわたってマイクロソフト(株)の「Microsoft Windows XP Professional」など2種類のソフトウェアを、兵庫県内の男性など2人に対して、合計2万円で販売していました。

Gは、平成15年4月7日から同6月17日ごろまでの間、3回にわたってマイクロソフト(株)の「Microsoft Windows XP Professional」など3種類のソフトウェアを、愛知県内の男性など2人に対して、合計2万4,000円で販売していました。

なお、平成16年3月29日、このグループの首謀者2人に対する判決公判が開かれ、神戸地裁尼崎支部は、Aに対して、著作権法違反のみで懲役2年(求刑・懲役3年)、Bに対して、著作権法違反と組織犯罪防止法違反について懲役2年2月(求刑・懲役3年6月)の実刑判決を言い渡しました。

一覧を見る


ページTOPへもどる