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活動報告

「漫画村」に関する損害賠償請求事件の判決言渡について

2024年4月18日更新

 2024年4月18日、東京地方裁判所(民事第47部/杉浦正樹裁判長)は、出版コンテンツの海賊版サイト「漫画村」の運営に積極的に関与していた者に対して、17億3,664万2,277円の損害賠償金の支払を命じる判決を言い渡しました。
 本件は、株式会社KADOKAWA、株式会社集英社および株式会社小学館の3社が2022年7月28日、「漫画村」により受けたと推計される損 害の一部である総額19億2,960万2,532円(17作品)の賠償を求め、共同提訴していたものです。

【原告3社の共同コメント】
 当時最大規模であり海賊版サイトの象徴でもあった「漫画村」に関し、刑事処罰を求めるのみならず、民事上生じた責任を追及することは、著者が安心して創作できる環境を整え、心血を注いで生み出された作品を預かる出版社の責務であることから、原告3社が共同して提訴いたしました。
 「漫画村」により出版コンテンツに生じた甚大な損害は今なお深く、その全てを回復することはできませんが、本判決において原告3社の主張が認められ、原告3社の17作品に限ってもその損害額が17億円強と判示されたことは妥当なものと考えております。
 原告3社は海賊版サイトを通じた権利侵害に対する大きな抑止につなげるべく提訴いたしましたが、本訴訟は改めて海賊版サイトの問題を広く訴える契機になりました。出版社は、国内のみならず、未だに深刻な被害が生じている国外においても同様の権利行使を行うなどして、作品を守り抜くため、今後も侵害に対してあらゆる手段による対策を講じてまいります。

【ACCSコメント】
 海賊版サイトの運営に対して民事上の責任が生じることが示されたことは、同種事犯防止の観点から当然の判決であると考えます。
 権利者は海賊版サイトを通じて対価を全く得ることはできません。適正なサイトやアプリを通じて楽しんでいただくことが何より重要であり、改めて「海賊版サイトにアクセスしない」「海賊版サイトを利用しない」よう強く呼びかけます。
 今後も、会員による権利行使の支援や著作権普及を通じ、侵害抑制につながる活動を推進してまいります。

■損害賠償請求における17作品
出版社 作品
(株)KADOKAWA オーバーロード
ケロロ軍曹
賢者の孫
盾の勇者の成り上がり
トリニティセブン 7人の魔書使い
ヒナまつり
僕だけがいない街
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
(株)集英社 キングダム
ONE PIECE
(株)小学館 黄金のラフ
カノジョは嘘を愛しすぎてる
からくりサーカス
ケンガンアシュラ
黄昏流星群
ドロヘドロ
YАWARА!
■判決言渡に至る経緯(参考)
年月事項
2016年2月漫画村開設
2018年3月漫画村最盛期
2019年9月漫画村運営者の逮捕
2021年6月漫画村運営者の有罪判決
(懲役3年、罰金1,000万円、追徴金6,257万1,336円)
2022年7月漫画村運営者に対する訴訟提起
2024年4月本訴訟の判決言渡

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